matason

半径3メートル内で起きたことを書いた身辺雑記てきなものや、 フィクション、ショートストーリーなどを投稿し、 「締め切りが~!」とかなんとか言いながら 3人で売れっ子作家さんごっこして遊んでます。

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半径3メートル内で起きたことを書いた身辺雑記てきなものや、 フィクション、ショートストーリーなどを投稿し、 「締め切りが~!」とかなんとか言いながら 3人で売れっ子作家さんごっこして遊んでます。

最近の記事

🔴歌詞を聞いた途端、私もちょうどその歌詞を考えていた最中だったのにという幻想

なぜだろう。単純な言葉だ。私も使ったことがある言葉たち。 ただ、このように表現できなかった。 なぜ私は「言われてみれば確かにそうだ」ととても共感できるのに このことを自ら言語化できなかったのだろう。 もう既に、この世には「新しいフレーズ」は無いのかもしれない。おそらく、言葉言葉の定義は出尽くしている。 使う言葉の選択肢はアーティストと私でそこまで変わらないはずである。どこが違うのか。その言葉に対する執念や想像力だろうか。 著書「動的平衡」ではこのように書かれていた。

    • 🔴マイノリティがあることこそがマジョリティ

      数年前より、多様性について考える機会が増えてきており、もう考えたことが無い方はいないのではないかと思います。 「性自認」や「性的指向」は人間が本来持っている多様性の一つですが、現代社会においては依然として周囲の無関心や偏見、差別などがまだまだ問題となっています。 これは当事者自身が解決していかないといけない問題なのでしょうか。 ちなみに、僕は性自認は「男性」であり、性的指向は「女性」です。もしかすると、詳しく自己分析をすると、そうではないのかもしれませんが、「現段階では

      • 🔴旅と対話

        江戸時代を生きていた私の祖先は、おそらく参勤交代に反対して罰せられた誰かかもしれない。 そんなことをふと思った。地図も、道も、無い中で、ただ歩いて江戸まで行くってどんな価値観なんだろう。少し尖った、甘ったるい考えの私であれば、絶対に江戸まで行かない方法を考えていただろう。だから、私の祖先はそうであると断定的に感じた。 なんだか、悔しい。今では当たり前の便利なモノが全くない世界で生きていた人にできていたことが、今の便利な世界を生きる私にできないことが。 次の日、東海道53

        • 🔴フィールドワーク的契約

          「ここアリがたくさんいるから、アリが巣を作ってるはずだ。掘り起こさないと。...うわあ、ここもいっぱいだあ。」 妻が庭で、私に聞こえるか聞こえないかくらいの声量で言い出してから20分ほど経った。 今日は、義母が野菜を植えたいとのことで、その手伝いをする日であった。 真夏の炎天下の中、義母と私がせっせと野菜を植えている中、妻はアリ退治に必死であった。 私は「いやいや、もういいだろう。」と思いながら、持っているジョウロで、妻がスコップで刺している場所をめがけて水をぶちまけ

          🔴much shock cake(無意識)

          子どものころ、ケーキ屋さんになりたかった。 理由は、ケーキが好きだから、甘いものが好きだから、作るのが好きだから、ケーキを食べた人の笑顔を見るのが楽しそうだから、というものではない。 ケーキ屋さんで働く人がいつも楽しそうに見えたからだ。ただそれだけの理由である。 大人になってケーキ屋さんとは違う仕事についた今、一人でそんな昔の思い出にふけっていると、帰路にあるケーキ屋さんが遠くに見え、立ち寄ってみることを思いついた。 近くにいくと、行列ができており、人気であることに心

          🔴much shock cake(無意識)

          🔵エッセイ

          あれから一年が経った。 夜中のzoomでエッセイなるものを書いてみようじゃないかという話になった。元々文章を読むことが好きで、いつか自費出版でもするかなんて、その時は夜中テンションでケラケラ笑い、盛り上がった。 夜が明け、その場の勢いで作成したnoteのアカウントにログインし、記事を書こうとするも、まあ筆が進まない。正確には親指が進まないか。そもそもエッセイとは何なのかがよく分からないのだ。考えた末、まずは身辺雑記てきな備忘録として書いていくことにした。自分の周りに巻き起

          🔵エッセイ

          🔵遠洋漁業

          友達とご飯を食べに行こうとなって、 空いている日を合わせるとき、 今日でも明日でも大丈夫だな~って考えているや否や、 「来月だったらこの辺りかな」 とか壮大なスケジュールの予定を立てはじめ出すと、 え、 遠洋漁業か何かにでも行かれるんですかと驚きが隠せなくなる。 確かに、新鮮なお造り定食なんか食べたいなとは思っているが、 マグロ仕留めに行こうなんてことは一言も言ってない。 来月の予定は正直わからないのである。

          🔵遠洋漁業

          🔵よく考えたら意味わからん時間

          男性用トイレに駆け込むと、 上司が用を足していた。 ここには小便器が3つしかない。 上司は真ん中の小便器を使っている。 端っこを使えよと心の中でツッコミながら ぼくは上司の横の小便器に構えた。 お疲れ様です。と会釈 おう、調子はどうだ?と上司。 廊下なら何て事のない会話だが、 いま我々はお互いに用を足している最中である。 おしっこ出しながら他人としゃべることに ぼくは何だか笑けてきた。 上司のおしっこが止まらない。 どうやら、ぼくの方が先に終わるよう

          🔵よく考えたら意味わからん時間

          🔵セリヌ家の末裔

          (前話: セリヌンティウスの苦悩の続きです!) 豆夫は、真夜中にひょっと目をさました。 頭の上でくまのうなり声が聞こえたからだ。 「じさまあっ!」 むちゅうでじさまにしがみつこうとしたが、じさまはいない。 「ま、豆夫、しんぺえすんな。じさまは、じさまは、ちょっと、はらがいてえだけだ。」 まくらもとで、体を丸めてうなっていたのはじさまだった。 「じさまっ!」 こわくて、びっくらして、豆夫はじさまにとびついた。けれども、じさまは、ころりとたたみに転げると、歯を食いしばって、ま

          🔵セリヌ家の末裔

          🟢セリヌンティウスの苦悩

          セリヌンティウスはひどく悩んでいた 青い瞳の彼を信用すべきかの判断がつかずにいたのだ セリヌンティウスは実直な男であった。 人の言うことを良く聞き、自分で判断した上で信じることができる。 そんなセリヌンティウスだが、この件に関しては自分の判断を信じきれずにいた。 セリヌンティウスは、一流の石工であった。 真面目に仕事をこなすため、ローマでも評判が良かった。 ゴツゴツした手に、深い顔の皺 ローマを30年支えてきた男であった。 若い衆を指導する立場にいながらまだまだ現役のセリ

          🟢セリヌンティウスの苦悩

          🔵腸内紛争

          それにしてもホルモンっていつ飲み込んだらいいのだろうか。 いつまで経っても、物を飲み込む相場のサイズ感にならない。 さすがにこれ以上の時間、口の中に居てもらっては「あれ、まだ舐めてんの?」と思われそうで、よし飲み込むぞ!と思うけど、そういう時に限って全然飲み込めない。状況は飲み込めるが、ホルモンは飲み込めない。 たまに錠剤をうまく飲めない人に出会うが、似たような感覚だと思う。本能が飲み込むことを避けてる感じ? そもそもホルモンは、焼けたかどうかの判断基準もよく分かって

          🔵腸内紛争

          🔵先輩のこっちが比較的あっちの方までこっちだった話

          これまでにいくつかの記事を投稿してきて、 タイトルを付けるタイミングや、付け方が記事によって違うなーと感じたので、そのことを書いてみようと思う。 私の場合は、エピソードやストーリーが最初に思いつき、それをつらつらと書き終わった最後に、タイトルを考え、付けることが多い。 しかし、記事によっては、2、3行本文を書いたあたりで一度タイトルを付け、その後本文を書き進めながらコロコロとタイトルが変わり、最終的には2番目くらいに付けたタイトルが決定稿となる場合もある。 小説や記事の

          🔵先輩のこっちが比較的あっちの方までこっちだった話

          🔴koukai

          私は明日死ぬのだろうか。 今、私の中に溜まった鬱憤は断末魔なのか。 確かおじいちゃんが死ぬ直前もそうだった。 いつも優しく微笑んで話してくれた人に「お前なんか知らん。来るな。」と顔も見ずに言われたのは衝撃だった。 人は、死ぬ直前、この世に未練を残さないように縁を断ちきる準備をすることがあるらしく、このような言動に至ることがあるらしい。 思い返せば、今の私もそうかもしれない。 満員電車、職場、家族、外出先、いろいろな場面で、自分との理解力・反応速度・価値観・考え方が

          🔴koukai

          🔵探せメロス

          暴君ディオニス王に真の友情を知らしめたメロスの後日談である。 . 数年後、あの竹馬の友であるセリヌンティウスが結婚するとの知らせを受けた。 未明、メロスは村を出発し、野を越え山を越え、式場のある市までやって来た。 式場近くでコンビニを見つけ、ご祝儀袋と筆ペンを購入し包もうとしたその時、メロスは新札を持っていないことに気が付いた。 休日の銀行はどこも閉まっていた。 ATMで8万円しかない残高を何度も出し入れするも、新札は一向に出てこない。手数料だけが音も立てずに情けな

          🔵探せメロス

          🟢温かな毒

          「お父さん、ちょっと荷物持ってて!」 そう言った息子は、投げるように鞄を預けて駆けていく。 そんな息子の後ろ姿を眺めているとふいに彼女の顔がよぎる。 ずいぶんむかし 学生時代に付き合っていた彼女の顔 よぎった瞬間 胸に淡い暖かさがひろがるのも束の間、 次の瞬間には、懐中電灯で胸を照らされるような暗い感情を覚える。 顔を想い起こそうとすればするほど その輪郭はおぼろげなものになっていくが ときおり驚くほどハッキリ彼女の顔がよぎることがある。 不意に現れる彼女は私をひど

          🟢温かな毒

          🟢その声が聞きたくて

          某牛丼店に行ったときのこと カウンターに座り、メニューを見て悩む。 およそ悩むのも数十秒程度で、いつもどおりの牛丼を頼もうとする。 ピンポンを探していると、カウンター越しで、男の人がセットを頼もうとする声が耳に入ってきた。 「これにお味噌汁つけられますか?」 「はい、つけられますよ!」 「豚汁は180円ですか?」 「そうだよー!」 ピンポンに指をかけた私が顔をあげる。 客も店員も特に変わった様子は無い。 (私の空耳であろうか?) 真相を確かめるべく、私は店員を呼

          🟢その声が聞きたくて