夏のフランス旅行記⑥|マリーアントワネットを訪ねて、ヴェルサイユ宮殿
この日の目的地はヴェルサイユ!
こちらも事前に9時から時間指定の予約をしていたので、朝イチ電車で向かいます。
パリ市内ならスマホに入れてるメトロの回数券を使えるのですが、今回は郊外となるヴェルサイユ宮殿。初めて切符を券売機を使って購入しました。もちろん券売機の使い方は予習済みです。
ここでちょっと困ったのが、マップで示されていた駅名と券売機の駅名の語順が若干違ったこと。おそらくどちらも「Versailles」と「Château」記されているので間違いないのですが「本当に間違いない?」「似てる名前の別の駅という可能性は!?」と疑いまくる心配性の私。
だって神戸駅と新神戸駅みたいなトラップがあるかもしれないじゃないですか。2駅間歩いて1時間近くかかるんやぞ。「合ってるから早よ買い!」と急かされ、料金が同じことを確認してからやっと購入。
メトロで途中の駅まで行き、そこからはRERという郊外へ行くための電車に乗り換えます。サンラザール駅からはヴェルサイユ近くまで直通の電車もあるのですが、駅から歩く距離を考え、より宮殿近くで降りられる駅を選びました。
乗り換えの駅で乗り場の確認をしていると、すぐにボランティアの方から「どこまで行くの?」と話しかけられ、乗る電車を教えてくれました。朝早くからご苦労様です。
最寄駅で降りるとものすごい数の警官とボランティアの方々。実はこの日はオリンピックのマラソン競技が行われており、ヴェルサイユ宮殿が折り返し地点だったのです。宮殿に行く人とマラソンの応援にきた人で、駅はごった返していました。
歩きながら沿道を眺めていると、誘導車の姿が。もうすぐ来るのかな?と思い日本で観戦しているマラソン好きの母にLINEで聞いてみると、「あと少しでヴェルサイユだよ〜!」との返信。
母が細かく実況で伝えてくれたのですが、先頭集団を待っていると予約時間に遅れそうだったので諦めて列に並び、沿道の雰囲気だけ楽しみました。
セキュリティチェックを終え中に入ります。
フランス革命の際、中庭に集まった群衆からの要求でマリーアントワネットが姿を現したのがこのバルコニーなんだそう。その後、アントワネットは宮殿から連れ出され、二度とここへ帰ることはありませんでした。歴史に思いを馳せながら、宮殿内の見学へ進みます。
鏡の回廊から少し進むと王の寝室があり、寝具の前に低い柵があります。ルイ14世王朝の頃王の生活は全て公開されていて、向こう側が王族の世界、こちら側が人々の世界という、柵は境界を担っていたそう。王も楽じゃないですね。
一度出てしまうとUターン禁止だったり戻れなくなってしまうので、場内の地図をもらっておけばよかったです。たぶん見損ねた部屋がいくつかあった気がします。
出口付近でRADUREEのマカロンを売っていたので軽食用に購入。ここでしっかり見落としがないか確認しておくべきだったのですが、何も考えずに外に出てしまい宮殿内に戻れなくなってしまいました。
スタッフの人に確認したら戻れたのかもしれないけど、人を捌くのに忙しそうだったので諦めて日陰でマカロンを食します。
ヴェルサイユ宮殿といえばお庭も有名ですが、ミュージアムパスで入れるのかと思いきやお庭に入るのは別料金とのこと。お庭に入るのにひとり12€か…と悩みましたが、旦那は興味なさそうだったのでここは断念。少し早いけど、昼から宮殿から少し離れたトリアノン宮殿の見学予約をしていたので、一度敷地を出て外を迂回して進みます。
パリの街並みも素敵だけど、せっかくなら宮殿内の道をお庭を見ながら進みたかったと私がぼやくので、若干口論になりかけました。それも全て暑さのせい。雲一つなくどんどん気温が上がり続けるので、徐々に体力を奪われます。
ようやく公園内に入れる入口まで来ました。緑が多くて、最高の散歩コースです。ジョギングをしている人を大勢見かけました。家の近くにこんな場所があったら最高だろうな。
宮殿を出て30分以上かかってトリアノンの近くまで来ましたが、まだ予約の1時間以上前。ダメもとで入っていいか聞いてみよう、と入口のお兄さんに聞いてみるとあっさりいいよと言われました。よかったー!
トリアノン宮殿はヴェルサイユ宮殿と比べて見学者がとても少なかったです。ヴェルサイユ宮殿から歩いて30分以上かかるので、ここまで来ない人も多いのかも。実際比べてみると、どこもかしこも豪華絢爛な向こうに比べ、こちらは全体的に落ち着いた雰囲気です。
さらに奥へ進むと、小さな可愛らしい建物がいくつか見えてきます。
内部が見学可能な離宮プチトリアノンへ。
一国の王女が暮らしているとは思えない、質素な作りです。シルバニアファミリーが住んでいそうな可愛らしい内装でした。
ただ私たちの目的地はその向こうにあるので、さらに奥へ奥へと進みます。もう辺りに人は誰もいません。そして完全に暑さで無口になっている旦那。
自然豊かな道程を進むと、見えてきました。
ルイ16世が妻のマリー・アントワネットに贈ったという、王妃のための人工の農村。豪華な宮殿から離れたこの小さな場所に、彼女は農民を住まわせて一つの村を作り上げたそうです。
この場所は個人的に勝手な縁を感じており、まさか実際に足を踏み入れることになるとは思ってもいませんでした。「ここには絶対行こう!」と旅行前から2人で決めていた場所。
浪費家として後世に伝わり「パンがないならお菓子を食べればいいじゃない」という言葉があまりにも有名なマリー・アントワネット。とても静かで穏やかな時間が流れるこの作り物の村は、彼女にとってどんな存在だったのでしょうか。綺麗に整えられた自然も可愛らしい家々も、なんだかとても寂しい場所に感じられました。
観光客も私たち含め数組しかいなかったのも静けさに拍車をかけます。しばらく穏やかな時間を堪能し、元来た道を戻ります。暑さと歩き疲れでもうクタクタです。
30分以上かかってやっとトリアノン宮殿に戻ってきました。
ここで目に入った有料トロッコ。5€で現在地を出発し、先ほど立ち寄ったプチ・トリアノンを通りヴェルサイユ宮殿まで連れて行ってくれます。5€か…と頭の中で円に換算しながらも、もうお互いに体力は限界です。ここはお金を使って宮殿まで戻ることにしました。
ガタガタの道で決して快適とはいえないけど、ここからまた30分以上かけて戻ることを考えればまさに天国。ゆっくり進むトロッコから景色を楽しみます。
てっきり私たちが通ってきた外側の道を進んでいくのかなーと思っていたら、列車は宮殿の庭の中に。庭園横通過していってくれるんやーラッキー!と思っていたら、まさかの庭園の中で降ろされました。
え、チケットないと入れなかったのに、ここで降りていいの?
まさかの半額以下で入れてしまいました。この辺日本はきっちりしてる気がするけど、海外は緩いのかな。お金もケチらずに使ってみるもんだな!と少しだけ庭園を散策します。
なんとなく罪悪感を抱いてしまい、疲れていたこともあり引きで噴水を見て10分もせずに撤退しました。とはいえ心残りが一つ思わぬ形で解消されてよかったです。
さすがに疲れたのでまだ15時ですがホテルに戻ります。
行きに降りた時にチケットを買っておけばよかったのですが、すっかり忘れていたので券売機の列に並びます。5台ほどある券売機にはそれぞれボランティアスタッフの方がついていて、切符購入のサポートをしてくれていました。
行き先を告げると乗り換え方法まで丁寧に教えてくれます。最後に「メルシー!」とお礼を伝えると笑顔で「ボンボヤージュ!」と見送ってくれました。
難なく乗り換えもこなし、夕飯用にサンラザール駅のPAULでサンドイッチを買って帰りました。このサンドイッチがめっちゃ美味しくて感動!日本のPAULにもあるんだろうか、また食べたいです。
私は少し休んだら夜の散策に行きたいなーとか思っていたんですけど、軽い熱中症か疲れか完全に旦那がダウン。翌日は実質最終日、ルーヴルへ行く予定だったので「明日元気になりたいからもう休む…」と20時前には寝てしまいました。
パリの街にも慣れた頃だったので1人で出かけようかとも思ったのですが、何かあったら良くないし、おとなしくホテルのテレビで閉会式を見ながら眠りにつきました。
6日目へ続く▽