ハクビシン駆除に関する法律|罰則内容や害獣被害に遭った場合の対応を解説【千葉県】
ハクビシンを勝手に駆除するのは法律違反?
どんな法律が関係してくる?
法律違反になった場合の罰則は?
ハクビシンは地方エリアだけでなく都市部でも見かけることが多い野生動物の一種です。
最近では東京都23区のほぼ全域で観測されているため、ハクビシンによる被害は他人ごとではありません。
そんなハクビシンを見かけたとき、自宅に侵入されたとき、屋根裏や床下に棲みついたときにどうすれば良いのか?といった疑問を持つ方も少なくないはずです。
ここではハクビシンの駆除・捕獲に関連する法律を分かりやすくまとめました。
ハクビシンを駆除するには許可や狩猟免許が必要で、勝手に駆除・捕獲すると罰則を受けることになります。
被害に遭った場合の対応や自分でできる対策も紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
ハクビシンの駆除・捕獲は法律により自治体の許可または狩猟免許が必要
先に結論から伝えておきますと、ハクビシンは「鳥獣保護管理法」の対象となる野生動物であり、許可なく駆除・捕獲することは禁じられています。
なお、国内に生息する大半の野生動物や野鳥は同法の対象となっているため、ハクビシンだけ特別ということではありません。
しかし、いっさい駆除・捕獲できないわけではなく、以下の方に関しては駆除作業が可能となっています。
都道府県および区市町村(各自治体)からの許可を得ている方
狩猟免許を保有し、狩猟者登録をしている方
市役所や町役場で申請手続きをおこない、内容が認められれば誰でも①になれる可能性はあります。
②に関しては狩猟免許の取得が必要です。狩猟免許にはいくつかの種類がありますが、ハクビシンを捕えるのであれば「わな猟の免許」で問題ありません。
※わな猟免許は18歳以上、銃猟免許は20歳以上から取得可能(参考:環境省鳥獣保護管理室HP)
ハクビシンの駆除に関する法律を解説
ハクビシンの駆除に関わってくる法律は「鳥獣保護管理法」「外来生物法」の2つです。
それぞれの内容を簡単に説明していきます。
①鳥獣保護管理法
鳥獣保護管理法とは、動物の生態系・農林水産業・生活衛生を守るための法律です。
適切な形で野生動物を管理(駆除を含む)することで、農作物への被害や公衆衛生の悪化を防いでいます。
ハクビシンは同法の対象内であるため、許可なく駆除できないわけです。
なお、先ほど駆除が認められる方の条件について触れましたが、これは鳥獣保護管理法によって定められている部分となります。
注意しておきたいのは「自分でハクビシンを駆除したい」⇒「自治体から許可を受ける」⇒「申請内容とは異なる害獣を捕まえる(または捕まえる頭数が異なる)」といった場合、鳥獣保護管理法や別の法律に抵触する恐れがあるという点です。
別の法律とは、次に説明する「外来生物法」となります。
②外来生物法
外来生物法とは生態系や農林水産業、人々の生活や命を脅かす恐れがある特定の外来生物を管理するための法律です。
特定外来生物に指定された野生動物は、捕獲・飼育・運搬等ができない決まりになっています。
なお、ハクビシンは特定外来生物に指定されていません。
しかし、ハクビシンを捕まえるときには捕獲機を使うことが一般的であり、その際に別の動物が罠に掛かってしまうこともあります。
例えばハクビシンを捕まえようとしてアライグマを捕獲してしまった場合は、外来生物法に抵触する可能性が出てくるわけです。
(上図より、アライグマは特定外来生物であるため)
もともとアライグマを捕まえるための許可を受けていれば問題ありませんが、「ハクビシンを捕まえるための許可」でアライグマやキョンなど(特定外来生物)を捕獲することは認められていません。
次項では、こうした場合に「どういった罰則を受ける可能性があるのか?」を解説していきます。
法律に反してハクビシンの駆除をおこなった場合の罰則
鳥獣保護管理法に違反した場合の罰則は以下の通りです。
ご覧のように少なくとも数十万円程度の罰金を納めることになりますので注意しましょう。
また、外来生物法に違反した場合は、最高で「3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金」を科されることになります。
ちなみに法人の場合だと「5,000万円~1億円以下の罰金」です。
非常に重い罰則となっていますので、仮に天井裏(屋根裏)や床下に侵入してきた害獣がハクビシンなのかアライグマなのか判断が付かないときは、近くの駆除業者に作業を任せましょう。
ハクビシンなどの害獣被害に遭った場合の対応
ハクビシンやアライグマといった害獣の被害に遭った場合の対応は以下3パターンに分かれます。
害獣駆除業者に依頼を出す
自治体(市役所・町役場)に相談する
忌避剤で追い出す・侵入経路を塞ぐなど自分で対策を講じる
各対策の内容を見ていきましょう。
害獣駆除業者に依頼を出す
天井裏や床下から野生動物の鳴き声が聞こえる、走り回る音が聞こえるといった場合には、害獣駆除業者に依頼を出しましょう。
ある程度の費用は掛かってしまうものの、これがもっとも素早く問題を解決する方法です。
手続きの手間が掛からず、法律に抵触する恐れもないところが最大のメリットと言えます。
自治体(市役所・町役場)に相談する
自治体によっては市や区がハクビシン駆除業者を呼んでくれるケースがあります。
これは区市町村によって対応が分かれるところなので、まずは自治体の公式ホームページを確認してみましょう。
ホームページを見てもよく分からない方は、直接市役所や区役所に行って相談してみてください。
忌避剤で追い出す・侵入経路を塞ぐなど自分で対策を講じる
許可を得ずにハクビシンを捕獲することは禁じられていますが、間接的に追い出すことは禁止されていません。
そのため、天井裏・床下といったハクビシンが潜んでいる場所に忌避剤を設置したり、燻煙剤を使ったりして追い出すことはできます。(毒餌を撒くのはNG)
また、ハクビシンが侵入してきた経路を見つけ、穴を塞ぐことも対処法のひとつです。
ただし、天井裏や床下に入っていくのは危険なので、外から補修できるところのみに限定しておきましょう。(潜んでいるハクビシンに攻撃される恐れがあるため)
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