[想像2030]〈2030年〉の舞台芸術に必要なこと No.2谷賢一

日本・台湾の現代舞台芸術交流プログラムでは、困難が予想される未来を想像していくために、日本・台湾それぞれで活動する舞台芸術やアートに携わっているプロデューサーやアーティスト、研究者、教育者、批評家などに「〈2030年〉の舞台芸術に必要なこと(日本)」「2030年台湾演劇(台湾)」についてコメントをいただき日本語、中国語で共有します。
――来るべき〈2030年〉の舞台芸術にあなたは何が必要だと思いますか?
※これまでの記事は #想像2030で検索できます。 

谷賢一氏は劇団DULL-COLORED POP主宰し、近年では海外の演出家とのコラボレーションも多く手がける。2020年には『福島三部作』が第23回鶴屋南北戯曲賞ならびに第64回岸田國士戯曲賞をダブル受賞し、TPAM – 国際舞台芸術ミーティング in 横浜 2021で上演とライブ配信がされた。

画像1

谷賢一(作家・演出家_翻訳家)

 たくさんありますが2点、挙げさせて頂こうと思います。
 一つは教育の充実。国立大学の芸術学部が演劇専攻のカリキュラムを持つこと。新国立劇場演劇研修所が生徒数も内容も拡充できるよう予算をつけること。俳優だけでなく演出家・劇作家の育成のためのコースを用意すること。人材を育成しなければ未来の演劇は育ちません。
 もう一つは地方公共劇場の質的な充実。貸し館として東京の公演を招聘するだけでなく、地方で創造・発信・交流を行い、文化資本の地域格差を埋めると共に、舞台芸術の裾野を広めていかなければならない。そのためには各劇場に優秀な制作・文芸スタッフを配置すると共に、芸術監督も必要になるだろう。
 日本の演劇文化は民間の力が押し上げ育ててきた。これからは50年後、100年後を見据えて、国家としての成長戦略を考えなければならない。


谷賢一(劇作家、導演、翻譯)
有很多事情想說,但這裡我想先提兩件事。
第一個是充實教育體系。國立大學裡的藝術學門必須要有戲劇專業的課程。讓新國立劇場戲劇研究所具備足以擴充應有學生人數與內容的預算。然後提供不單是演員,更包含導演、編劇的培育課程。唯有透過人才的養成,才能夠維繫未來的戲劇。
另外一個則是提升地方公立劇場的品質。不只是單純的租借場地邀演東京的作品,而要從在地開始進行創作、發信與交流,必須一邊彌平城鄉文化資本差異的同時,一邊推展表演藝術的根基。因此需要在這些劇場配置優秀的製作、研究人才,當然也包含藝術總監的設立。
日本的戲劇文化透過了民間的力量而成長至此。從現在開始的50年、100年後,勢必將要從國家的角度來思考成長的戰略才行。
In.note

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?