「野菜を食べろ」という無理難題。
前回の記事で「食物繊維を摂れ」「野菜を食べろは難しい」とお話ししました。
まずはなぜ昔から野菜を食べろと言われても、誰も素直に実行することが出来ないのかを考えていきましょう。
これは今後あなたのご家族や、子供の「食育」に必要になってくるでしょう。
まず、自分の過去を振り返ってその言葉を言われた時のことを思い出しましょう。(そんな過去がない人は、想像してみて下さい)
その時「誰に」言われたでしょうか。
それは「どんな時」だったでしょうか。
そしてそれはどんな「言葉」で言われたでしょうか。
思い出せましたか?
子供の頃であれば「母親にとある夕食時、人参やピーマンを食べないと大きくなれない」とか
大人になってからでは「家族にことあるごとに健康のため、病気にならないため、痩せるために野菜も食べた方がいいんじゃない」とかでしょうか。
子供の頃は
「誰に」は→「母親」
「どんな時」は→「夕食」
「どんな言葉で」は「食べないと大きくなれない」
となります。
もっと細かく考えられればその方が、今後の子供や家族に対する「食育」にはつながりますが、今回は簡単にしておきましょう。
ではこれの何が良くないのか考えていきましょう。
一見至って普通の会話で、何も良くないところが無いように思います。
母親は子供のためを思い、「好き嫌いなく」食べることを教えようとしていますし、子供の成長のために、「何でもバランスよく食べることが大切である」との考えから出た発言とも捉えられます。と考えれば、親心ある発言に聞こえます。
でも子供やこれを言われたその他大勢は素直に受け入れることはできません。なぜならその発言に「理由」や「根拠」が無いからです。
子供はそんなことわからないと考えるのはやめましょう。
今や子供たちはスマホやタブレット、PCで何でも自分で検索できる時代です。我々が子供だった時代よりはるかに情報を獲得する術があります。
これは大人に対しても同じで、昔はテレビ・雑誌が情報の主体でしたが、今や様々な媒体で、様々な健康情報があふれる世の中で、「食べなくても大丈夫」といった情報も調べれば出てくる時代です。
ですのでその場しのぎの「大きくなれない」や「健康のために」「病気にならないために」は通用しにくくなってきています。
そのため、「食育」をしていくうえで、これはどんな教育でも同様ですが、食べる理由と根拠を明確にして話していく必要があります。
私は普段生活習慣病予防のために食事内容の指導・アドバイスを行っておりますが、そこでも必ず、どの【栄養素】がどんな【働き】をするか、それを各個人が望む方向に合わせてお話しするようにしております。
例えば炭水化物が大好きで、やめることは難しいが、何とか健康的な食生活をしていきたい場合
「炭水化物は体の中で分解されて糖質として吸収されます。ですが先に食物繊維を含む食材を摂取することで、糖の吸収を緩やかにすることができます。そうすると急激な血糖値の上昇を抑えられると同時に、インスリンの分泌量も抑えることができるため、糖尿病の予防、内臓脂肪の増加を抑え、血管の炎症疾患である動脈硬化症の予防に繋がります。さらに食物繊維はコレステロールの再吸収も阻害するため、コレステロール値の減少効果もあります。」
といったような内容で指導しております。
そうすることで始めて「食物繊維」を摂取する必要性を感じることが出来ます。
ではどのようにして食物繊維を摂ればいいのか。
次回に続く・・・
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