170. なめたらあかん4ミリ
月曜日
天気予報が脅していたほどの荒天感もないが、曇天垂れ込める中で私だけ出勤。
長男は振替休日で次男もそのついでに休ませてもらっていてうらやましい。
朝は食パン。
先日、いつものパン屋で8枚切りを買ったのに7枚しか入ってなかったことがあり、夫に夜中に食べたのでは嫌疑などを持ったりしたが、どうやら最初から1枚少なかったようだった。
まぁ、時折端っこのオマケなどをしてくれるし、子どもらが呼び出しのベルをリンリン鳴らしまくっても笑顔で見守ってくれる馴染みのパン屋なので、そんな時もあるわなとスルーしたのだが、その後でパンを買いに行くと「この前、7枚しか入ってませんでしたよね…?帰られた後、1枚ペロンとパン切りのとこに残っていて!」とお詫びに4枚オマケをくれた。
逆にすまんな!という気持ち。
12枚のパンをぎゅうと袋に詰めてくれ「1枚足りなくてケンカになってないか心配でした」と。
いいパン屋だ。これからも贔屓にしよう。
今日は私は日帰り手術を受けに行く。
足の裏の謎イボの正体を見極める生検用に4ミリほど切るとのこと。
上司に中抜けを許可してもらい、池尻大橋の東邦大学大橋病院へ。
前回同様、石立鉄雄みたいな元気な先生に「なんか聞きたいことある?!」「特にありません!もうなるようになれって感じです」「あなたは明るくていい人だねぇ〜ガハハ」などと愉快にお話ししながら、病室にあるなんでもない台ににうつ伏せになった。
ウィーンとスイッチの音がして台がぐいぐい上がっていき、先生ちょっと間違えて頭を上げすぎたり、慌てて下げすぎたりしてちょっとしたアトラクションみたいで大いに盛り上がってしまった。
そこまでだった。私の盛り上がり。
一応、帝王切開を2回経験しているので、たったの4ミリ切るとか鼻くそみたいなもんやろ、と思っていた。
「麻酔打ちますね〜痛いですよ〜ごめんね〜」とブスッと刺されてギュウーと注入される痛みよ。
え、何これめっちゃ痛い。
その後チクチクぐりぐりされてそれも痛い。
「あれ?ここ痛い?痛かったら我慢しないで言ってね!」「イタイデス」「そう?じゃあもう一回麻酔するね!」ブスっギュー「ギャア」
※これをもう一回繰り返した。
3回麻酔を打たれた後、何やら足の裏を引っ張ったり突いたりされ、糸と針がグイーングイーンと私の皮膚を行き来してる感じを味わったら手術自体は30分で終わり。
先生と研修医に「痛くてごめんね〜じゃあ抜糸は来月に!後のことは看護師さんに聞いてネ!あなた営業の仕事してるの?人気あるでしょ!」などとワイガヤ見送られて病室を後にした。
会社に戻ってイタカッタデスと部長に報告したら「無理しなくていいからね」と言われどんだけいい会社だよ。
帰り道、麻酔が切れてきたのか「これは痛いぞ」となり、家に帰り着くと「もう立ってるのが嫌だ」となった。
夜ご飯は冷蔵庫にあるカレーもしくはミートソースにしてくれと夫に頼んでソファから立ち上がるのを放棄した。
夫がパスタを茹でてミートソースを子らに食べさせていた。
シャワーも浴びてはいけないと言われたので、痛い痛いと言いながら寝た。
野生動物は怪我をすると何も食べずにじっとするというしな。
ちなみに夫と子どもらは新国立美術館に庵野秀明展に行っていた。
「ウルトラマンのお尻が面白かった」とのこと。
それぞれ、見たり見なかったりで充実していたらしい。
夫が子らの見聞を広げてくれてありがたいことだ。
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祝日の火曜。
とにかく足の裏をつけないようにして1日過ごす。
子どもらにも手伝いを促し、次男は上手に皿を拭いてくれた。
午後は夫と子どもが公園に行き私はとにかくじっと寝ていた。
夜ご飯用に何か食べたいものを買ってきてと頼むと、ものすごいサシの入った国産ステーキ肉(半額)と焼肉のセットを買って帰ってきた。
あと牛のテール。
なんやねん。。。
痛み止めを飲んで立ち上がり、牛のテールは冷凍し、バターニンニクチャーハンに、お肉をいい感じに焼いたものを乗せ、亜麻仁油ドレッシングのサラダをした。
子らが「あのお肉が?!これに???!」と驚いていて、そうだろうこれが母の本気だ、と満足した。
足の裏のガーゼを外すと、縫い物の端っこみたいな糸がピョロんと出ていて、2針縫ったんだよと夫に見せた。
夫は子どものころ、大きな古釘が足の裏にぶっ刺さり嵐山を血に染めた経験の持ち主で、同じ右の足の裏にその手術痕がある。
※夫から古釘ではなくサントリーオールド
の割れ瓶です、と注釈が入りました。
図らずも足の裏似たもの夫婦になってしまった。
足を上げてお風呂に入った。
そして早く寝た。
傷の治りはきっと睡眠が促進するはず。