”しょぼい起業”には2つの意味がある
わたくし、小塚井呉也は、副業家(サイドライナー)を名乗っています。
本業は、しがない会社(役)員ですが、副業家としては、すでに複数の仕事をかけもちしてやっています。
先日、えらいてんちょうさんの「しょぼい起業で生きてゆく」という本があることを知り、
「ああ、わたしと同じことを考えているのかな」
と思って読ませていただきましたが、本質的には近い部分があるけれど、ややニュアンスが異なる場面も出てきました。
そこで、「しょぼい起業」という言葉がもつ、いくつかの側面を考えてみたいと思います。
えらいてんちょうさんの考え方は、ひとつめの「しょぼい起業」です。
◆ 自分の生活を成り立たせる生業をはじめる場合、「ラーメン店を開業するぞ!」とか、「リフォーム工事で独立するぞ!」みたいな、ガチガチの起業を考えるのではなく、もっと「ゆるい生業(なりわい)」からはじめてもいいんじゃない?
というニュアンスです。
「ゆるいなりわい」「肩肘はらない食い扶持」などなど、ほかにも言い方はあるかもしれません。それを「しょぼい+起業」と言っています。
それに対して、ふだんからワタクシ小塚井がやっているのは、
◆ 副業なんだから「これを作ってみたい」「これを提供できるんじゃね?」といった「しょーもない小口の商材」からはじめて、小さなスタートアップをしてみよう
というニュアンスです。
具体的には、小塚井は、別の名義をいろいろ持っているのですが、そのうちの一つでは、
「木工品・楽器を作って売っている」
というのをやっています。女性の方で、アクセサリ作家をなさっている人も今では多いようですが、そんなのに似ています。
ただ、「耳をすませばの天沢くんのようにバイオリンを作っている」とかではありません。そんな大げさで本格的なものではないです。
わたしの場合は、これまで、既製品ではない新しい楽器を、とても安価で製作していて、全国の人相手に、ちょこちょこ売っています。
一番高いので5000円くらいですから「まさにしょぼい+起業」です。
ただ、楽器づくり・木工品づくりは、まるでアップルを創業したジョブズが
「ガレージで起業した」
のと同じように、こちらも負けじと
「ガレージで作り始めた」
ので、しょぼいけど「ベンチャースタートアップ」ではあります。きっと、たぶん。
マニアックな楽器なので、アップルのように大IT企業にはなれないだけです。
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ワタクシ小塚井は、こういう「しょーもないおもちゃみたいなもの」とか「しょーもない新しいもの」を生み出すのが好きで、むしろ万人に人気が出るようなものは、あまり興味がなかったりします(苦笑)
この「しょーもなさ、しょぼさ」は小塚井式の大きな特徴で、そのしょぼさゆえに
「生活の基盤となるほど食えるものではない」
ということが起きます。このあたりは、えらいてんちょうさんとは、結果が変わってくる大きな分岐点かもしれません。
ほかにも「文筆まがい業」みたいなこともしていますが、これも単価が最大5000円くらいで、しょーもない本(電子本の場合もある)のようなものを作って依頼者に提供したり、そういう「しょぼい文筆」です。けして大ベストセラーにはならないものばかりです。
ああ、たった一作品しか世に出ていませんが、またまた別の名義で
「しょぼい小説家」
もしています。ていうか、何か続き書けよ、自分。
しかし、副業家としては、こうした「しょぼいスタートアップ」をいくつか持っていることで、お金も総合すればそれなりに助かる額になっているし、何しろ本業がありますから、食い扶持には困りません。これ以外と大事です。
ですので、「えらいてんちょうさん式しょぼい起業」でもいいし「小塚井呉也式しょぼい起業」でもいいので、
とにかくしょぼいこと、小さなことをまずは始めてみる
ことが大事なのではないかな、と思います。