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なぜ炎上商法はヒットするのか


 「美人はつらいよ」という炎上商法がバレて、今日もネット界隈は楽しいことになっていますが、みなさんいかがお過ごしでしょうか。

 せっかく「美人はつらいよ」というキャッチーなコピーでスタートしたのだから、

「わたくし、生まれも育ちも葛飾柴又です」

と付け加えておけば、

「ああ、柴又の美人なら、しゃーねえな」

と江戸っ子のみなさんも許してくれたのに、もったいない。



 と、しょーもない冗談はさておき、(↑葛飾・柴又のみなさん、怒っていいので、炎上させてください)

たいへん残念なことながら、一部のメディア人たちは、この「炎上商法」がリスキーではあるものの、広告宣伝においては

「たいへんに有効である」

ということを良く知っています。ですから、彼らもある意味キワキワのところを狙って発信してくるのですが、それが一般人、あるいは情弱たちから見ると

「それは言いすぎだ!やりすぎだ!」

という閾値を超えたところで、着火炎上してしまうのはよくある話です。


 さて、そもそも炎上がマーティング的に成功するのは、その

「正義の快楽性」「正義の娯楽性」

にあります。わたしたちはおおっぴらにそれを認めたくはないのですが、正義を振りかざすことは「気持ちがよくて楽しい」のです。

 ですから、物事の裏面や両面をよく見る人たちよりも、あまり物事のオモテウラを考えない直情的な人たちのほうが、この炎上のマーケティングにまんまとひっかかります。

「言ってはいけない」「もっと言ってはいけない」でおなじみの橘玲さんによれば、

「復讐や報復を考えるときに活性化する部位は、快楽を感じる部位ときわめて近い」

のだとか。

 あるいは

『ゆがんだ正義感で他人を支配しようとする人』梅谷薫・著という本もおすすめ。


 私達は「悪っぽいもの」が提示されて、それがいっせいに「正される」行為に、とっても夢中になることがわかります。ですから、

 わざと悪っぽいものを投下する炎上商法

は、かなり合理的に私達の心を掴む、ということになってしまうのですね。


 ちなみに、今回の「美人はつらいよ」騒動。

「インフルエンサーを作り上げるぜ」というプロジェクトで仕掛けられた

ことがわかってきたようで。

 インフルエンサーたるもの、どちらかといえば「よい評判」「よい影響力」を発揮して欲しいものですが、悪行をまきちらかすのであれば

 インフルエンザー

と呼びたいものですね。

 悪いウイルスによって引き起こされる感染症・・・。あってるじゃん。


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 ちなみに、今回の騒動で私達が学ぶべきことは、

「怖いのは炎上でもインフルエンサーではなく、その裏にいるフィクサーのおっさんたち」

ということではないでしょうか。


 気をつけなはれや。




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