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縁側のある生活

私の心の中の原風景。
それは、母方の祖父母の家。
年季の入った質素な平屋の借家には、こじんまりとした縁側がありました。縁側に腰をかけると、小さな菜園が一望でき、幼い私はその縁側から四季折々の庭の景色を楽しんでいました。

時は流れ、私はいい歳の中年になり。
それでも今でも幼きあの頃を思い出すのです。
だからと言うわけではないけれども。
自宅のウッドデッキを作り直しました。
元々は台風で屋根が飛んでしまい、雨ざらしになってウッドデッキが朽ちてしまったから。
縁あって新しく作り直すにあたってひとつ希望したこと。
それは柵を作らずデッキの端から端まで縁側のように使えるようにすること。
そして、希望通りに出来上がった新しい『縁側』は、想像以上の温かさがありました。

縁側に子どもたちが腰をかける。何も用事はなくとも、季節の空気を思い想いに吸い込む。
そこには昔のような整った菜園はないけれども、自然に囲まれた穏やかな空間には違いない。

昔は縁側で餅つきをしていたけれども。
今は縁側に腰掛けながらバーベキューを楽しむ事ができる。

春になれば、桜桃の花が控えめに咲き乱れ、きっとお花見も楽しめる事でしょう。

縁側でくつろいている子ども達を見るのが、今の幸せなひと時なのかもしれない。