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定期的に訪れる髪切りたい欲と自分の機嫌を取る方法

無性に髪を切りたくなる衝動に駆られる時がある。
結構共感していただけるんではないかと思うのですが
結局何もしないままで、ワンレングスのロングへアが定番です。

だいたいこの衝動が来るときは色々報われないとき。うまくいかないとき。
ここのところもずっと、髪型変えたいなあ。ショートカットといいなあ。ボブかわいい。と思い続けているのだ。
異国の地にきて、1年がたつ。
家族も友達もいない土地で、仕事もがらりと変わって。
最初は、道を歩くことにすら自信がない状態だった。
大丈夫ですか、私、ここで暮らしていいですかね。そんな気分だった。
さすがに1年もたてば、たいていのことには慣れた。

それでも、日本で仕事をするよりも数倍の負荷がかかっている気がする。

仕事で疲れちゃった日、なんでもないけど真っ直ぐ帰りたくない日、
そんな時にねえ、一杯だけどうかな、いつもの店で。
なんて言える友人ほしいなあって思ったりする。
一人も好きだけど、誰かに話を聞いてほしい夜。
うまく息抜きができなくて、不完全燃焼な心を抱えて眠ることを繰り返すうちに「くっそー、やってらんねー、髪でも切って気分転換したい!」となる。
でもしない。なんとかしないでここまで乗り切ってきている。
衝動的に動いても何もいいことないことを30数年生きて知っているから。

第一私、ショートカットは絶対に似合わないと思うし、
おでこにはつむじがあって前髪も作れない。
今の髪型が一番楽でいいことも知っている。

子供のころは、毎朝母に三つ編みをしてもらっていた。
ある時母が「つむじが2こあるから、あんた気が強いんやわ」と言ったのを覚えてる。
科学的根拠があるのか知らないけれど、それから30年近く、
たしかに気が強いとよくご指摘を受ける人生になった。

この前、美容院に行ったとき「私、ショートボブとかしてみたいんですけど、つむじも2つあるし、絶対うまくまとまらないと思うんです」というと
「いえいえ、つむじ3つですよ」と衝撃の事実を告げられた。
今までの美容師さん、なんで言ってくれなかったの。
そんなことより、え、私3つもあるの。
それは、相当気が強いということかしら。
聞くと相当珍しいらしい。でしょうね。

「ぼくもロングのほうがいいと思いますね。扱いやすいでしょうし」
ほらね、プロが言うなら間違いないよね。
「私、ふてくされると髪を切りたくなるんです。これから私が切ってくれって言ったら全力で止めてくださいね」
よし、これで大丈夫。絶対衝動的ショートボブは誕生しない。

心機一転したいとき、気合を入れなおさないといけないときは
ネイルを変える、足つぼにいく、服を買う、いつものバーに行く、思い切り泣く、笑う。そして、なんでもない有休をとる。

大学を卒業して社会に出て10年、自分で自分の機嫌を取るマニュアルは完成しつつある。