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ごめん、もうこれ以上付き合えない【ショートストーリー】

「ごめん、もうこれ以上付き合えない・・・」

「どういうこと?だって今日楽しそうにしてたじゃん」

「・・・」

私は、それ以上彼になんの言葉も返せなかった。

去年私が24歳の誕生日に付き合い始め、先日付き合って1年が経った。
最近は、お互いなかなか休みが合わず、今日は1ヶ月振りにデート。普通カップルならば、久しぶりに会えるので楽しみのはずなのに、それなのに私は、正直気が進まなかった。

自分がこんな気持ちになったのは、薄々気づいていた。気づかないように逃げていたところもあった。でも、今日しかないと決意していた。

「久しぶりのデートにこんな気持ちにさせてごめん」と心の中で小さく彼に謝った。

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私たちは、私が勤めている会社の仲の良い同僚が開いたコンパで出会った。

たまたま、彼が私の隣に座って話をしたら、二人とも好きなアーティストが同じで、そのアーティストを好きになったきっかけも親が聴いていたからだった。好きな曲も面白いくらい一緒だった。

20代でそのアーティストを好きな人が私の周りにはいなく、彼と出会えたのは少し運命を感じた。付き合うまであまり時間はかからなく、気がつけばいつも一緒にいる存在になっていた。

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俳優の高橋一生さんに少し似て低めで、耳に入ると心地が良い彼の声が好きだった。話し方もどちらかというとゆっくりで、彼の人柄を表してるようだった。

いつも、私のことを気にかけていてくれていた。時には父親のように、時には母親のように本当に大切に、思ってくれているんだと感じていた。
好きでいてくれる人がいる喜びを、この1年心に染みるように感じていた。

でも、自分の気持ちに変化が出てきたことに気づいてしまった。

「私、彼の気持ちに素直に受け止められなくなっている気にかけてくれいることが、鬱陶しいしか感じられなくなっている」

彼に申し訳ないと自分を追い詰めて責めた時もあった。
しかし、女性の心と言うのは、冷めるとすぐ気持ちを切り替える傾向にあるみたいと、どこかで聞いたことあるとふと思い出した。腑に落ちた。

いつの間にか、いつも一緒にいる存在の彼が、私を苦しめていた。
お別れしようと決意した。

「ごめん、もうこれ以上付き合えない・・・」















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