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「井上さん!井上さん!」佃煮に出汁…いつも声をかけてくれた神田川さんとの思い出

井上公造です。

日本料理人で料理研究家の神田川俊郎さんがお亡くなりになりました。81歳でした。

共通の知人からの電話で訃報を知ったのですが、生前、本当にかわいがっていただいていたので、とても寂しいです。


神田川さんは大阪・北新地に「神田川」をはじめ、4店舗を出店。基本的にはお弟子さんが包丁を握っていましたが、神田川さんご本人もお店に出て、いろいろなチェックをされていました。とにかく料理一筋で味にこだわりを持ち、パワフルでエネルギッシュな方でした。

ボクが最初に神田川さんを知ったのは、フジテレビの人気番組「料理の鉄人」でした。それから、仕事で毎週大阪に通うようになった二十数年前から、親しくさせていただきました。というのも、北新地を歩いていると、神田川さんが明るく声をかけてくれるんです。

「井上さん!井上さん!ちょっとこれ持って行って!」と佃煮をくれたり、「もともとはまかないだったんだけど、今度店で出そうと思ってるんや」と試作品を食べさせてくれたり。「今、出汁(だし)を取ったんだけど、飲んでみて!」と言って、店に呼んでくれたことも。

写真の包丁もそう。十数年前に、やしきたかじんさんと北新地を歩いていた時に、この包丁をプレゼントしてくださいました。


テレビで見る神田川さんは、豪快で陽気なキャラクターという印象ですが、プライベートでもまったく同じ。とても気さくなんです。

「花に水、人に愛、料理は心」をモットーにしていた神田川さん。番組で共演した際に、「包丁とコメンテーターは切れ味が勝負だから」とオチャメにおっしゃっていたのも、忘れられません。

何事にも前向きな方だったので、病にかかってもねじふせてほしかった…。死因は新型コロナウイルスによる肺炎だったとのこと。本当に残念です。ご冥福をお祈りします。

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