11月に読んだ本と原書で読書することの楽しさについて
「読んだ順」に紹介していきます。
読書をしていて楽しい瞬間のひとつとして「次は何を読もうかな~」と考えている時があると思うんです。
その時の気持ちが反映されてくるものなので「読んだ順」で残しておきたいなと思うのです。
「嵐が丘」
エッセイとか現代小説などを続けて読んでいると、なぜか海外の古典が読みたくなる。
より現実逃避したくなるからかな。
「嵐が丘」は登場人物がいつも怒っているので、心情についていくのが難しく、今まで三回くらい挫折した。
しかし今回、ついに読み切った。こういう話だったのかと。語り部すぎる女中ネリーにびっくり。
スマホばっかり見ている日常から、1800年代のイギリスへひとっとびしてきた気分。やっぱり古典を読むのは楽しい。
「地下鉄道」
18世紀のアメリカ南部。綿花農場の奴隷の少女コーラが奴隷狩り人から逃れ、地下鉄道に乗り自由を求めて北部を目指す物語。
アフリカから連れてこられた人々が売り買いされたり、農場主が奴隷を罰したり、とにかくぎょっとするほど残虐なシーンが多く読んでいて息が苦しくなるほど。
といっても、密かに運行される「地下鉄道」に乗って逃げるというエンタメ要素も入っているのでハラハラしながら先を読み続けてしまう。
小説はあくまでもフィクションだけれど、奴隷制度という信じられないような非人道的な歴史は現在とつながっているわけで。BLM運動など今も解決できない問題に葛藤するアメリカ社会について考えさせる本だった。
コルソン・ホワイトヘッドの新刊がでたので、こちらも早く読みたい。。。
「クリスマス・キャロル」
クリスマスが近づいてくると読みたくなる本。
守銭奴のスクルージがクリスマスイブの夜に現れた3人の幽霊から過去・現在・未来を見せられることによって、心をいれかえたくさんの人に囲まれて温かいクリスマスを迎える、、、というお話。ディケンズの名作ですね。
一人で静かにクリスマスを迎えるのもいいと思いますが(私は静寂派)やはり人間は関係の中で生きている生き物だなあと思うところもあり、一年に一度は読み直して素直な気持ちになってみたいなぁと思うのです。
「アダム・スミスの夕食を作ったのは誰か? ; これからの経済と女性の話」
作者はスウェーデン出身、英国在住のジャーナリスト。
2012年にスウェーデンで、日本では2021年に発行された。
経済学の成り立ちの話などとてもおもしろく「へー」の連続。たとえば、アダム・スミスや同時代の経済学者たちが次のように考えたところなど。
第2章の「なぜロビンソン・クルーソーは経済学のヒーローなのか」もめちゃくちゃ面白くて、改めてロビンソン・クルーソーを読みたくなってしまったほど。
カトリーン・キラス゠マルサル氏の新しい本が出てるので、これも読みたい。
「힘 빼기의 기술」(力を抜く技術)
私の大好きなキム・ハナ作家のエッセイ「힘 빼기의 기술(力を抜く技術)」。
二部構成になっていて、
part1「近くから」は、ソウルで思ったこと、
part2「遠いところから」は、半年間の南米旅行の間に書いたものだそうだ。
そういう構成を聞いただけでも、わくわくしてしまう私。
南米旅行の間も、韓国にいる友人、家族のことを思ったり、飼い猫にあてた手紙を書いたりするので、やはりこれは「近いところと遠いところのお話」というパッケージがすてきなんだなあと思った。
最近、韓国語の勉強は特にしていないのだけど、
ひと月に一冊は韓国語の原書を読むようにしたいなあと思っているところ。
原書で読むのはやっぱり疲れる。
原書を読んだ後で日本語を読むとすごく楽に感じる。
日本語がひゃーっと軽く読めるようになる。
(わたし日本人なので「それって何得?」って感じですが)
まるで高地トレーニングのようだ。
そんな頭の中の負荷みたいなものを感じるのもの原書読書の楽しさかもしれない。
一冊読むごとにハングルが目になじんできて、少しずつ楽になっていくような気がする。
これを続けていけば、読むスピードも速くなるはずなので、今度、韓国語能力試験を受ける時の対策にもなるはずだ。。。ふふふ。
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