韓国ドラマ「D.P. 」と軍隊が良くわかるおすすめ本
NETFLIX「D.P. 」のシーズン2が、いよいよ7月28日からはじまる。
「D.P. 」は韓国陸軍が舞台。脱走兵を捜索し部隊に連れ帰ることを任務とする「DP組」のジュノ(チョン・ヘイン)が主人公。
軍隊で起こる理不尽、社会の不平等を憚ることなく描いていく。射殺事件や苛烈ないじめなど、非常に重いモチーフを扱っているが、リアルな演出は見始めたら途中でやめることができない。
原作はウェブトゥーン
原作はウェブトゥーン「D.P 개의 날(犬の日)」。実際にDP組だったという作者の経験がベースになっている。作者のキム・ボトンは「D.P. 」の脚本にも参加している。
オープニングについて
本編の素晴らしさは言うまでもないが、私はオープニングが大好きで毎回飛ばさずにじっくり鑑賞している。韓国では「58秒の短編映画」とも言われている。
子供の成長を見守る親の目線のようなカットが続き、大学受験、恋愛、友情など、シーンが次々と切り替わり入隊式会場へとつながる。今日で青春が終わってしまうという悲壮感と、これからの不安が画面によく反映されていると思う。
入隊式は家族や友人と最後の別れを惜しむ場所だ。ほとんどの青年が家族と会場に来ている。
しかし、主人公のジュノは一人でやってきて、見送ってくる人もいない。
やがて教官の号令で整列がはじまり、列に並んだジュノは急に振り返り、無表情な視線をカメラに向ける。これからジュノは軍隊で何を見て、何を感じて過ごすのか、、そして本編が始まる。この流れは、導入として本当にすばらしいなと思う。短編映画だと言われるのよくわかる。
シーズン2ではオープニングがどうなっているのか、というのも楽しみなポイント。
オープニング曲「Crazy」
「D.P. 」のオープニングは曲もすごくよくて。憂鬱で懐かしさを感じるこの曲は韓国人の프라이머리と케빈오によるプロデュース。
歌手の케빈오はアメリカ生まれの韓国人。2015年にオーディション番組「スーパースターK 7」で優勝してデビュー。現在32歳。昨年結婚して、奥さんは女優のコン・ヒョジン(「椿の花咲く頃」)だそう。
おすすめ本「オマエラ、軍隊シッテルカ!?」
これを読めば、韓国ドラマの軍隊シーンが少なくとも5倍(私の体感)はよくわかり面白くなる、という2冊。
「オマエラ、軍隊シッテルカ!?」は、1992年に兵役についた作者イ・ソンチャンの軍体験記。当初WEBで公開したところ、反響を呼び日本でも2002年に出版された。
今は軍隊生活を紹介するバラエティー番組(「チンチャサナイ」)があったり、広報目的で軍内部の情報がある程度公開されるようになったけれど、当時は情報があまりなかったのでかなり話題になったそう。20年前の本だけど、最近のドラマを見ていても、基本的な訓練やルールなどはあまり変わらないように感じる。
訓練所から新兵として入隊し、除隊するまでの生活を細かく描写している。
特に論山訓練所に入ってから6週間(現在は5週間)の基本訓練がどのように進められるのか、どんなに厳しいかが非常によくわかる。
これを読んでいると、「D.P. 」第1話の冒頭10分の訓練シーンが、訓練所での基本訓練をダイジェスト的に良くまとめているなぁと感心するし、あの10分を作るためにどれだけ手間をかけて撮影したんだろう。。。とその点も感心する。
本書で面白いのは、なんでも連帯責任の軍隊で、どうやったら罰を与えられないで済むか、どうやったら楽が出来るかなど「生きる知恵」が満載なところ。
怖い教官や上官、先輩兵士に日々睨まれ、緊張の連続なのに読んでる側としては申し訳ないが面白い。
遠くから見れば悲劇も喜劇とはこのことか。
今は古本でしか購入できないみたいだけど興味のある方はぜひ。
シーズン2への期待
シーズン2では新メンバーも加わってくるし、シーズン1に比べてソン・ソックの出番が増えているらしい。ソン・ソックの勢いがとまらないなあ。
ク・ギョファン推しの私は、2でホヨルがどう描かれるのかが楽しみ。1であまり触れられなかったホヨルの家族とか、彼の背景(大学行かなかったところとか)がどの程度描かれるのか、その辺もすごく期待。
きっと一気見してしまうだろうが、大切に観たいと思う。
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