ferm LIVING Stories vol.68 GOTS認証のテキスタイルのお話
今回は「GOTS認証」にまつわるストーリーです。
ferm LIVING のサスティナブルな取り組みは、さまざまな国や地域に人々との関係なくして語ることはできません。今回彼らが向かったのは、オーガニックテキスタイルを生産するインドのとある工場でした。
〜 GOTS生産の舞台裏 〜
オーガニックテキスタイル生産の舞台裏に皆さまをご案内します。
グローバル・オーガニック・テキスタイル・スタンダード(Global Organic Textile Standard)、通称GOTSは、有機的に栽培・生産された原材料を使用したテキスタイルのための世界的な加工基準として認知されています。オーガニックコットンなどのGOTS認証素材は、サプライチェーン全体で厳しい環境・社会基準のもとに生産されており、有害な化学物質は使用していません。それによって生物多様性、農家や工場の労働者、そして最終的な消費者が保護されるのです。
ferm LIVING では2017年からGOTS認証を取り入れており、現在ではGOTS認証付きのコットン製品がコレクションに並んでいます。私たちがGOTSなどの認証に取り組むのは、責任ある製造、サプライチェーンにおける労働条件が適正かつ公正であること、そして高品質なことはもちろん責任を持って生産されていることを約束したいからです。
〜 原材料が生地になるまで 〜
コットン、絹、麻、竹などGOTS認証の素材を栽培する農家は、栽培に使用できる化学物質に対して厳しい制限があり、土壌と動物福祉の双方を保護しています。また、水の消費についても、責任ある排水処理や再生水を含む厳しい要求が課されています。今回私たちは、2008年以来ともに歩んできた南インド、タルミ・ナードゥ州最大のGOTS認証コットン製品の製造業者を訪ねました。オーガニックの原綿がGOTS認証の美しいテキスタイルになるまでの舞台裏をお見せしたいと思います。
オーガニックの原綿は、1つ145kgのブロックに圧縮された状態で到着します。最初の洗浄行程では、原綿の異物を取り除くためにフィルターにかけられます。この原綿はチューブを通して機械に移され、高速エアーを吹き付けて圧縮部分をほぐして不純物を除去します。その後、金属探知機に通し、均一になるように何度も攪拌機にかけます。この工程を繰り返したのち、手作業で選別し、残った不純物を取り除くのです。平均して100kgの原綿から90kgのきれいなコットンが生まれ、布に紡がれる準備が整います。
コットン片はカード(梳綿)機にかけられて平らなシート状に圧縮されたのち、粗い糸のようなリボン状にカットされます。これを櫛のような機械に通して繊維を分離・洗浄し、再び混ぜ合わせます。この工程を繰り返し、再度繊維を平らにしてカード状にして、硬さ、均一性、耐久性を確保。この繊維に撚りをかけてボビンに巻き取り、もっとも清潔で細い綿糸が出来上がるのです。紡績工場での最終工程として、ボビンに巻かれた糸をUV照射室に入れ、ゴミやホコリが混入しないように再度品質管理を行います。
次にボビンに巻かれた糸は織布部門に運ばれ、7000本の細い糸を何層にも重ねて巻き取る機械に並べられます。別の機械には糸を逆方向にセットし、一般的な縦糸と横糸のパターンを作ります。これで最終的なGOTS生地の準備が整いました。最終段階の品質管理として、織りのミスや汚れがないかを手作業で注意深く検査し、染色、裁断、縫製。そして最終的なデザインに仕上げられます。
〜 パートナーシップ〜
GOTS認証の製品を作るためには、すべてのサプライチェーンがGOTS認証を受け、GOTSが定める社会基準から水・電気・化学物質の消費量にいたるまでの高い基準をクリアしているかどうか、毎年第三者機関による監査に参加しなくてはいけません。
インドにある生産パートナーは工場の屋根にソーラーパネルを設置し、職場への安心安全な通勤を提供する従業員の移動システムを導入しました。これまで働く機会に恵まれなかった、地域社会の多くの女性たちを雇用することができたのです。
私たちは、環境と社会的視点の両面から責任あるサスティナブルな取り組みを目指すこの旅のパートナーであることを誇りに思っています。お客様が責任ある適正な選択をしやすくするために、決意と謙虚さをもって努力しています。私たちは決して完璧ではありません。しかし、自分たちにできることをしています。
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いかがでしたでしょうか。
GOTS認証をはじめ、ferm LIVING ではものづくりに携わるものとして環境や社会へのサスティナブルな取り組みを積極的に行なっています。より詳しい情報はこちらをご覧ください。それでは次回をお楽しみに。
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