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ferm LIVING Stories vol.46 Marie-Louise の家

今回のストーリーの主人公は、デンマークの著名な建築スペシャリストMarie-Louise Høstbo(マリー・ルイーズ・ホストボ)さんです。
家事の休憩中やちょっとした待ち時間に、ゆっくりお楽しみください♪

〜 Marie-Louise と Secret Places 〜

デンマークの著名な建築スペシャリストであり、「Hemmelige steder:コペンハーゲンとその周辺の特徴的な建物にまつわる建築ガイド」の著者でもあるMarie-Louise Høstbo。17歳と19歳の娘、AgnesとTelmaとともに彼女はコペンハーゲン・Østerbro地区に暮らしている。

Marie-Louise はずっと建築家になりたいと思っていた。

—— 八百屋になりたいと考えていた。
10歳の頃を除いてはだが ——



当時の彼女のやり方は、店舗の平面図を描くことだった。

Marie-Louise はコペンハーゲン在住の著名な建築スペシャリストであり、
美学コンサルタントである。この分野で25年の経験を持つ彼女はデンマークデザインや建築を専門としており、これらをテーマにした豊富な知識を生かして人々への教育も行っている。


(Marie-Louise)
私が建築学校で学んだ最も重要なことは、スケッチすることよりも実際に見るということでした。この考えが、現在の私にとっての基礎なのです。
つまり、私が見るものを他の人に伝え、建築についての対話をスタートして、建築からどのように学ぶことができるのか、建築は何を代弁しているのか、ということです。

Marie-Louiseの手がける数多くのプロジェクトの中に、著書「Hemmelige steder:コペンハーゲンとその周辺の特徴的な建物にまつわる建築ガイド」がある。

デンマーク語と英語で出版され、Marie-Louise が最も保存状態の良い
50の建築物の秘密を紹介している。


(Marie-Louise)
コペンハーゲンにゲストが遊びに来るたびに、私のお気に入りの場所を紹介しました。グルントヴィ教会や Arne Jacobsen の手がけたSASホテル、デンマーク国立銀行などの定番をすべて見て回っても、私にはまだ人々に訪れてほしい場所の長いリストはありました。
けれど、足を向かわせるような文献が不足していて。つまりイントロダクションですね。そのことが「Hemmelige steder」のアイディアとなりました。


建築への情熱が芽生えた瞬間を特定することはできないが、Marie-Louise は空間に特別な魅力を感じていたことを覚えている。


(Marie-Louise)
幼少期から遡って、色々な空間を私は覚えています。
描くことが大好きで、小さい頃にはすでに様々な空間の間取りを描いていました。

この好奇心が、彼女を故郷である西ユトランド半島・Hvide Sande からコペンハーゲンへと誘った。18歳で王立アカデミーにて建築を学び始めたのだ。
学生時代、Marie-Louise は官公庁や上場企業の建物を専門とする建築事務所でインターンを行い、1920年代から1970年代の貴重なオリジナルのデンマーク家具を専門とするギャラリー、Dansk Møbelkunst で働き始める。
修士号を取得後も、彼女はこの2ヶ所で働き続けた。

現在は独立し、建築やデザインを含むコンサルタントとして活動しているMarie-Louise は、同じ日は一度としてない、というくらい多様性に富んだ日々を送っている。

(Marie-Louise)
私には一般的な仕事の日と言えるような日はありません。
もし私が書き物をするとして、まずは私個人の書庫や公共の図書館、もしくはデータベースなどで素材を探します。
そして午後になると外へ出て実際の建物を見に行き、撮影する、というように仕事をします。つまり、建築とは「外へ出よ、そして肌で感じよ」ということ。ただ単に日がな一日読み物に耽ったり、ネットを使うのではありません。

好きな建築時代について彼女に尋ねると Marie-Louise は、1920年代から
1960年代の50年間を挙げた。その時代は、デンマークの建築家が古典的な様式に触発され機能主義へと移行し、建築において人間的要素がより重要な意味を持ち始めた時代なのだ。


(Marie-Louise)
建築は、地域や時代といった周囲の環境だけではなく、人々の周辺の環境をも非常に表現しています。私たちの歴史はレンガによって紡がれ、それぞれの建物には歴史や雰囲気、触ったときの感覚というものがあるのです。


デンマーク建築についての専門知識に加え、Marie-Louise は日本のデザインの伝統からも強い影響を受けている。そしてそれは、北欧のものとさほど違いはないと語っている。


(Marie-Louise)
この2つの国はとても離れた距離にあるのに、似たような建築のテクニックで発展してきたのは本当に魅力的ですよね。使用する素材が違っただけなんです。デンマークではレンガを使い、日本では紙を使っています。

仕事場としても使われている Marie-Louises の自宅は、彼女の職業を知ることのできるサインが数多く見られる。特に、建築やデザインにまつわる本のコレクションは、隣接するリビングの壁2面を埋め尽くしている。


(Marie-Louise)
自宅で仕事をするとき、本はそばにあります(これらが私の主な資料なので……)。しかしこの本の存在は、私にとって HOME を感じるものでもあるのです。


これは Marie-Louise の家のデコレーションに対するアプローチを非常によく表している。自称「実用的な美学者」としての彼女の自宅の一室は、機能性と感性が融合し思い出と未来が交差する場所だ。
オークやレザーといった自然の素材を使ったクラシックなデンマークデザインの要素が、お土産や受け継いだ宝物、家族の写真などで構成された小さくて思慮深いヴィネットと空間を分かち合っている。

色合いはニュートラルで控えめ、そして落ち着いたものになっており、色彩とサイズ感が万華鏡のような Marie-Louise の本のコレクションが、主なデコレーション要素になっている。

Marie-Louise は Østerbro の中心部にある昔ながらのコペンハーゲンのアパートメントに住み、10代の娘二人と暮らしている。


(Marie-Louise)
家にとって最も重要なことはあたたかみがあり、そこで時間を過ごしたいと思えるような魅惑の場所であるということ。素晴らしい雰囲気や考え事ができたり、娘たちの友人が心地よく感じたり、みんなが一緒にお茶をしてくつろぎを感じる場所であることが大切なのです。

***

いかがでしたでしょうか。

彼女が働いていたという Dansk Møbelkunst は、デンマークデザインや家具が好きな人にとっては一度は訪れたい場所のはず!
私も行ったことがありますが、空間に満ちる家具のオーラが凄すぎてずっとソワソワしていました(笑)あの場所で働いていた方のインタビューなのか……と一人感動しております。

建築やデンマークデザインの多角的な、そして五感を使った味わい方を教えてくれるマリー・ルイーズさん。

彼女のご自宅も素敵でしたね。
日本のデザインの伝統にも影響を受けたとインタビューにありましたが、
ferm LIVING のアイテムにも日本に影響を受けたものはあります。
本当に、この二国のデザインや美学に対する考え方や表現方法は、根っこで深く繋がっているんでしょうね。


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