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love letter from K. Season4「ヒト」1. 地球のことを知ろう

これまでのLLFKでは「時間」「自分」「食べること」とその時々のテーマを感覚を研ぎ澄ませて綴ってきました。そして、2020年初頭の混乱から時が流れ、僕達の生活も少しは良くなるかな?と思ってはいたものの、あまり変化はなし。自分自身、進歩しているのか同じ所をグルグル回っているのかわかりません。これは直感ですが、地球は人類に「あなたたち人間の内側をもっと見つめなさい」と言っているような気がしています。僕達人間はどんな生き物なのか?良い所も悪い所も含めてもっとよく知ること。全ての根源である「ヒト」。シーズン4はそこに焦点を当てていきたいと思います。


なぜ人間は

なぜ僕達はモノを使うのか?なぜ絵画をみて綺麗だと感じるのか?など、具体的にお話ししたい事はたくさんあるのですが、今回は序章として視点をぐーっと引いて「なぜ人間は地球を支配しているのか」を簡単に書いてみたいと思います。KOZLIFEさんのようなWEBショップでこんな話をするのは場違いじゃないか?と結構悩んだのですが、今って、ついつい目の前の事に目が行きがちなので、気分転換という意味でも視点を変えてみるのも良いスパイスになるかなと、意を決して。

僕自身プロダクトを企画デザインしている中で、実際に人間の進化などには興味があるものの、その分野の専門家ではありません。地球の誕生について調べたのも小中学生の社会の勉強以来。あの時は猿がどんどんヒトになっていく絵を見ながら、僕らの祖先は猿なんだ!と思った程度。地球の歴史については諸説ありますので、皆さんがご存知の物と違うかもしれません。そして45億年分を1ページに要約しますので、省略する部分が多い事もお許しください。

今回調べ物をしている中で参考になったのがこの動画「全地球史アトラス」です。なぜ地球が他の星と違い自然に恵まれているのかなどを非常にわかりやすくまとめられています。そしてこの先の地球の未来までもが描かれている。1時間程ありますが、素晴らしい内容ですのでお時間のある方は是非ご覧になってください。

要約をしてしまうと、人間がなぜ生まれたのか?それは「物質の習性と幾度ともない偶然の連続」だと語られています。それは紛れもない「奇跡」に値します。我々の直接の祖先にあたるホモサピエンスが誕生したのが15万年前、人間はごくごく最近出現した生物ということ。そこに到達するまでに45億年程掛かっているのですから、現代人がいかに集大成の賜なのかが伺い知れます。


サピエンスの能力

数ある動物の中でなぜホモサピエンスがトップに君臨できたのか不思議だったのです。ライオンとかの方が強そうじゃないですか。「サピエンス全史」にはこう記してあります。言語を操る霊長類は数種いたものの、ホモサピエンスだけが出来たことがあった。それはフィクションを想像する能力だったと。「危ない!マンモスだ!」と事実を伝えるのではなく、「私たちはマンモスの守護霊で守られている」という“虚構”を生み出せたそうなんです。実際に見たこともない物を想像し、それを共有することで力を合わせる能力を得て、他の種族を圧倒し、トップに君臨した。その特殊な能力を使い、社会を形成し、宗教が生まれ、お金が誕生し、どんどん繁栄していった。脳の容積がもっと大きいホモ族は他にもいたそうですが、想像力という、このひとつの違いが人類を現在まで導いたと。ということは、数万年前から現在までの多くの部分が想像でできている・・・あまり信じたくはないですが、確かにお金は等価交換ができるよう価値を紙に変えただけの産物であり、宗教は人が作ったストーリーであることには間違いがなさそうです。


進化する

この100年間で、ヒトの姿も徐々に変わってきていると言われています。確かに、今の子達は頭が小さくて背が高い!そんな実感が。これも地球規模から見れば、本当に小さな進化のひとつなのでしょう。もしかしたら近い将来、足の指が5本は必要なくなり、退化して4本になるかもしれません。性別も男女がより近づき差がなくなるかもしれません。まだまだヒトは進化の途中なのです。

肌の色・背格好・体つき・そして考え方。ヒトにも色々な種類があります。黒人と白人とアジア人は結構違う所があると思っていました。そして相容れない部分も多いとも。でも地球が何億年もかけて苦労して生んでくれた人間同士だと思うと、ぐんと近い存在に感じたのです。その差もお互い楽しみ合って愛していかないと、って。


現代の特別さ

コンピューターやインターネットが一般的になったのは、ここ数十年の間のこと。私たちはその1~2世代目にあたるようです。今の暮らしは人類史の0.001%でしかなく、いかに爆発的な勢いで発展をとげているかが分かります。現代の高校生は、数世紀前の学者より博識と言われているそう。現代は人類が最も繁栄した時代。そこに生きているってすごい事ですよね。毎日を過ごせていることが奇跡中の奇跡なのですから。最近イライラしていた自分が恥ずかしい限り・・・。
「これをやったらどうなんだろう」と思いとどまっている事も、マクロ的に見れば点にもならないような小さな出来事。だから気にせず思い切ってやっていいんじゃないかと勇気をもらえた気がしています。
地球ってすごいよなぁと思いながら朝ベランダに出てみると、育てている植物の葉にバッタが食べた穴がぽっかり空いていました。・・・君も生きてるんだね。

つづく

出典/参考図書
・全地球史アトラス/冥王代生命学の創成
・サピエンス全史(上・下)  ユヴァル・ノア・ハラリ 著
・表紙写真:NASA

和田 健司
オランダDesign Academy EindhovenにてDroog Design ハイス・バッカー氏に師事、コンセプチュアルデザインを学ぶ。 同大学院修士課程修了。大手広告代理店勤務の後、2011年 “what is design?”を理念とする(株)デザインの研究所を設立。研究に基づく新たな気付きを、個人から企業まで様々な顧客に価値として提供し続けるコンセプター。


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