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台湾総統副総統&立法委員選挙。
※開票速報を受けて自分のツィッターに投稿した、即興所感の転載です。
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これくらいの得票差だと次回選挙での大幅揺り戻し不確実性増加のヒヤヒヤは減るとはいえ、
さすがに政権腐敗も自然増になる三期目だし、台湾半導体バカ売れラッキーパンチ効果も低減するトレンドになるだろうし、四年間で台湾周辺米中均衡も一層変化するし、経済では北京中央から引き続き冷遇されるし、党支持層タカ派に配慮しつつ経済政策でチャイナ切りもできないわけだから、たいへんな政権運営&党運営になるというのは単純に予想できる。
まぁそんなたいへんな民進党政権だからこそ、台北政権側に優先順位の低かった対日本との連携深める動機も増えるので、我々日本側としては日台連携深化できていいんじゃないですかぬ。
んで、日台連携が深化すれば、日本はこんどはその対台インテリジェンスをもったうえで対北京中央で優位な交渉もできるので良いとは思われ。 ただし、感情保守の影響で「台湾万歳、打倒中共」みたいな浅いイデオロギーが日本の政界に蔓延したままだと、台北からは笑顔で見下されて、北京からは強面で見下されますけども(定期。x回目。)。
※「親中の国民党ぢゃなくて良かった」とかいう深度30cmのプールに入ってる人には申し訳ないけど、 そういう浅いことではなくて、 台湾政治のパラメーター変化を捉えて日本はいかに台北政権とも北京中央政権とも競争しあっていくのか、という視点で話をしとります。
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ちなみに北京中央側の反応(報道官回答)は、折り込み済み案件すぎて、台湾独立許さぬ云々の両岸問題定型句は多用されているものの飛び抜けて過激でもなく、意訳すると「ま、こんなもんすよね。はい撤収撤収。飲み行こーぜ」みたいなやっつけ感。
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以上がツィッター投稿した投開票直後所感でありますが、北京中央側に関して特段の動きがあれば、そのアップデートした分析を投稿していきたいと思います。また、下記の投稿のとおり、日本の主要メディアでは台湾総統選による媒体占拠の影響で、北京中央の重要なムーブが見落とされていることにも留意したいです。
宇露、中東、台湾総統選などリアル劇場型イベントで日本のメディアが埋め尽くされてるときは、非専門コメンテーターがハウリングおこしてその実態以上に情緒的に論じるので、
— 中川コージ/ Dr.NAKAGAWA (@kozijp) January 13, 2024
チャイナの渋いが堅実な裏ムーブが矮小化されて、北京中央も大イベントばかりに注力してると思われがち。そんなこたぁない。