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ADHD的書評:まんが医学の歴史( 茨木 保)

読んだ本の ADHD的感想です。 本はこちら。

西洋医学の歴史をコンパクトに纏めてマンガにしたものです。 古代ギリシャのヒポクラテスから始まり、クローン技術まで駆け足です。学術書というよりは、発見の背後の人間模様も書かれていて 面白かったです。読みやすい!

さて、ADHD視点からみて、発見したことです。1から3まであります。


ポイントその1: ビジュアライズ(見える化)は大事。 

近代医学の進歩のステップはいくつかあるのですが、体内という ”見えないもの” をいかに見えるようにするか、がターニングポイントになっています。 例えば、顕微鏡やレントゲン、解体新書などです。 文字で説明するのとビジュアルで示すのでは、今風に言うと わかりみが違ってくるわけですね。 この本自体も、マンガというとっつきやすいビジュアルでいい感じです。 

*** ここから横道それまくりの ADHD視点なのですが、 

精神系のトラブルの厄介な点は、 トラブル発生源が目に見えない、 ということです。 それを見えるようにする工夫として、 バイオフィードバック(ニューロフィードバック、SPECT画像)という技術があります。今の所それほど普及してないです。 一時期2013年頃 流行りました。 nekomimi(5000円ぐらい)とか、
NeuroSky社製 脳波コントロール MindWave(20000円ぐらい)とか、ありますね。
MindWaveの方は、bluetoothでPCと接続です。 ホームページにこのヘッドセットで操作して、脳波の出を良くする?PCソフトが載っています。 無料のものもあります。昔(2016年頃)試したときはゲームが1種類しかなかったのですが増えてますね!
書籍では「わかっているのにできない」脳〈1〉エイメン博士が教えてくれるADDの脳の仕組み などがありますね。 ADHDを6タイプに分けて、脳のイメージ画像が載っていたりして 脳の状態が普通と違っているのがビジュアルでわかりました。
これを疑問視する声もあって、 バイオフィードバックの原理は、 脳の微細な電気(神経が動くと電気が発生する)を、 MindWaveの場合は、こめかみと額に当てた電極で測定して、画面にする、 というものです。 本格的なものは電極の数が多いのですが、いかんせん頭の表面に電極をつけるので脳の内部まで正確にスキャンできているかというと、 未知数ですね。 あくまでも参考程度です。
個人的に、MindWaveで、無料ゲームをやってみました。 ボールを地上から浮かす、とかそんな感じのですが、 感想は ”なんとなく集中力が増えたような気もする” でした。 しかし、 毎日10分ぐらい続けていると、 コツが掴めるというか、 頭の力の入れ具合(抜き具合?)で ある程度うまく動かせるようになりました。 集中力が上がったような?気もしました。 


ポイントその2:現場が大事

話は、元の本に戻って、ビジュアライズ大事の件なのですが、別の見方をすれば、 現場が大事 でもあります。 昔は(今も)医者が偉くて、現場(実際に病人を見たり解剖したり)は美容師(美容院の赤と白のくるくる回る看板はその名残)や身分の低い人(日本の江戸時代、獣の皮を剥ぐ いわゆる差別部落)の仕事でした。 そのせいで権威のある医者に正確な知識がなく、長く医学が停滞しました。 命を預かる仕事なので、報酬が多かったり、尊敬されたりは たしかにそれが自然なのですが、 その結果として 現状維持の知識や手法になったわけです。 
医者の中にも、現場大好きタイプとして、本にはイギリスの ジョン・ハンターが登場します。 ADHD濃度高め!濃いめ! 自分の体で淋病の実験したり、すごいの一言です。 他にも日本人で華岡青州という人がいて、麻酔を成功させたという偉業を成し遂げました。 実験台は母親と嫁で、犠牲になったという。これもすごい!この本を読むまで知らなかった!
一方、同時代の杉田玄白は解体新書を書いたとして 医学関係では有名ですし、本にも出てきます。 当時、日本では蘭学(オランダの本)は伝統的な医学ではなかったときに、解体新書を翻訳したのは確かに重要で貴重なことだけど、個人的には先の華岡青州の方が ”現場度” が高くて好きですね。 玄白は言ってしまえば他人の業績の翻訳だから、あえて分類すれば コピペ方向だと思います。 青州はオリジナルなので、やっぱりこっちがいいですね。
これは別の見方をすれば、 あとに残る業績としては ”見える化の” 本の形をとったのが 功を奏したともいえます。 麻酔という手術は目に見えないし、自分で見ない限り、 信憑性がないともいえます。あまりにすごすぎて ありえないと思われてしまったのかもですね。 
なので、 あえて順番をつけるとすれば
1)ビジュアライズ(見える化)
2)現場
となると思います。

くどくどしてて、話が飛んで 読みにくかったですか? あえてADHDを文章にしてみました。
もし!この芸に投げ銭したい方は ちょうどよかったですね!もう一つの3つ目ADHD的おもしろポイントが100円です。
1,2とちょっと視点が違います。盲点になりがちなことというか、ADHDのライフハック的な面があります。人間の自然な反応に反する?といったところです。


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