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会えない切なさ
今日も青空が広がって、春の日差しが降り注ぎ、
風は涼しく、とても心地いい日曜日です。
この時期、こざるカフェも いつもなら オープンエアにして、とっても気持ちよく過ごしていました。
「ただいまー。」
こざるちゃんは、近くのポストに絵葉書を投函してきました。
「りこちゃんの友人たち宛に、僕たち、絵葉書を書いたんだ。」
「高齢の友人たちの中には、りこちゃんみたいに自宅にいる人もいるけれど、
病院だったり、施設だったりと、自宅以外のところにいる人もいて、
今は面会できないから、少しでも寂しさが紛れたらいいなって思ったんだ。」
皆、うんうん頷きます。
「金曜日の夜の『ラジオ深夜便』で、アナウンサーの桜井さんも、お母さんが入院しているんだけれど、
今は面会できないって話していたね。」
桜井洋子アナウンサーの94歳のお母様が入院している病院も、3月下旬から面会が禁止となっていて、
最近は、看護師さんが車椅子にのせたお母様を玄関まで連れてきてくれるのだそうです。
「ガラスの扉越しに、『大丈夫。ちゃんと会えるまで、もう少し我慢してね。』などと紙に書いて見せるって話していたよね。」
「切ない気持ちになるって桜井さんが言ってて、僕たちも悲しくなっちゃったんだ。」
ラジオを聞きながら、こざる達は りこちゃんが入院していた時のことを思い出し、
病院や施設にいる りこちゃんの友人たちのことを思い浮かべました。
「高齢になればなるほど、今のこの会えない事情が うまく理解できないことも多いから、
余計に辛くなるよね。」
こざるちゃんが涙ぐんで言います。
「でもね、桜井さんは、友人が作ってくれた椰子の木の刺繍のマスクをつけて行って、
お母様が それを見て、にっこりしてくれたように思うって言ってたよ。」
皆、うんうん頷きます。
今は誰もが辛い時です。
"小さな幸せを見つけて、毎日を乗り切っていきたい。"
そう、桜井アナは話していました。
「じゃあ 僕たち、元気出して おやつにしようよ!」
「そうしよう! 」
「そしたら ちょっと りこちゃんに言って来るよ!」
こざるちゃんが一緒に歌いながら、りこちゃんの部屋へ向かいます。
「りこちゃーん、おやつの時間だよ! 今日はアップルパイだよ! 一緒に食べよう!」
こざるカフェは、今日も ゆっくりゆっくり
のんびり 穏やかに時間が流れていきます。
読んで下さって、どうもありがとうございます。
きっと大丈夫。ちゃんとまた会える日がやって来ます。
よい毎日でありますように(^_^)