
田中選手がゴールのために書いていた日記とは!?
ワールドカップでみごと逆転弾を決め、スペインから歴史的勝利を勝ち取った田中碧選手は、自身の日記に毎日「ワールドカップで点を取る」と書き続けていたそうです。日記に限らず、自分の成功している姿を思い描くということの効果は、科学的にも認められています。
イメージだけでも身体は動いている
オーストラリアの心理学者アラン・リチャードソンは、イメージすることの重要性を示す興味深い研究を行いました。
リチャードソンは実験参加者を集め、彼らにバスケットボールのフリースローの練習を行ってもらいました。練習は3つのグループに分けられ、それぞれが別の方法で実施されました。
グループ① フリースローを20日間毎日練習する
グループ② 1日目と20日目の二日間だけ練習する
グループ③ 1日目と20日目に練習。練習をしていない間の日は、頭のなかで20分間フリースローをしている姿を毎日イメージする
1日目と20日目だけ練習した「グループ②」は言うまでもなく、まったく上達していませんでした。一方でフリースローを毎日練習した「グループ①」は、24%シュートの成功確率が向上していました。では、頭のなかでイメージした「グループ③」の結果はどうだったのでしょう。
なんと、ただイメージしただけにもかかわらず、「グループ①」とほとんど変わらない23%も成功確率が向上していたのです!
イメージを鮮明に行うと実際には体を動かしていなくても、その運動をしたときに動くであろう筋肉がわずかながら反応することが研究からわかっています。ある動作をつねにイメージしていると身体イメージが「筋肉記憶」に蓄積され、実際にその動作を行うときにスムーズに反応することができるというのです。
脳は「現実」と「想像」うまく区別できない
繰り返しイメージしていると、あたかもそれが現実に起こったことのように錯覚することがあります。脳は「現実」と「想像」をうまく区別することができないのです(だからすっぱいレモンを想像しただけで唾液が出てきてしまうのです)。
目標を達成した状態を細かく何度も思い描くと、脳は勝手に実現可能なことだと錯覚しだします。実現可能と思える未来の姿は、私たちにモチベーションや方向性を与えてくれます。未来のイメージは磁石のように、より良い未来に向けて引き付けてくれるのです。
もしなにか達成したい夢や希望があるのであれば、その姿を繰り返し鮮明にイメージすることが大切です。
さらにいえば、成功している姿だけでなく、そこに至るまでのプロセスも鮮明にイメージし、実際にやってみることです。田中選手も様々なシチュエーションを想定しながら、実際に練習に励んでいたことは間違いないでしょう。そうすることで、あなたが望む未来は現実のものとなるのです。