「アフリカの夜」㉛吸引力半端ない衝撃シーンⅢ

㉙㉚の続き。

第11話最終回だけあって衝撃の連続!

指紋も一致し、いよいよ本気で逃亡するみづほ。
テレビでみづほの母親が危篤のニュースが流れ、「お母ちゃんは、もう、あさってまではもたんの……」と弱気になるみづほに、「私が福井に連れて行きます」と宣言する八重子。八重子、有香、緑、みづほの旅が始まる。
実家へ向かう自動車で……

みづほ「……」
八重子「検問?」
みづほ「……!」
八重子「Uターンしたら追跡されるし、止まったら疑われる。このまま突破します」
有香「……!」
緑「……!」
みづほ「……」
八重子「……!!」
T「時効まであと14時間」

OP

○検問所・外
『検問中』の看板。
大勢の警察官、パトカーがいる。
八重子たちの車が警察官の検問を受けている。
警察官「どちらまでおいでですか?」
緑「越前多摩川温泉、宿は多摩川荘」
八重子「同僚なんです」
警察官「……」
有香「……」
警察官「お急ぎの所、申し訳ありませんでした。気を付けて」
八重子「どうも……」
自動車が動き出す。

○走る車内
八重子、緑、有香が乗っている。
緑「でも、びっくりした。丸ちゃんのおかあさんって、ホント不死身ね?」
有香「スタント顔負けだわ」

○回想
走る自動車の後部座席のドアがあき、みづほが転び出る。

大石静「アフリカの夜」第11話より

視聴者も、車のどこかに隠れていて見付かりはしないかとひやひやする。しかし、オープニングの歌をはさみ、ネタバレ。
スタントマン顔負けのシーンだった。

みづほと別れ、八重子達三人で実家に行く。実家は、個人商店を営んでいて、客として潜入。

兄「……二百五十円です」
緑「(一万円札を出し)ごめんなさい、大きいのしかないの」
有香「あ、アタシあるわよ」
緑「(遮り)くずしてきてくださる?」
兄「はい。ちょっと待ってください」
と、店から出て行く。
有香「あんな落書きなんてされて、ナハティブ状態なのに、かわいそうじゃないの?」
緑「バカッ!時間稼いでるんじゃないの?ちょっと頭使ってよ」
有香「……」
八重子「(お母ちゃんを見る)……」
八重子、和室に上がり込む。緑、有香も続く。
突然、床下収納の扉を上げて、みづほが飛び出る。
みづほ「お母ちゃん」
八重子・緑・有香「……!!?」

みづほ、お母ちゃんに駆け寄り。
みづほ「お母ちゃん」
お母ちゃん「……」
みづほ「お母ちゃん、苦しんだ?」
お母ちゃん「もう、終わったんか……?」
みづほ「明日から、いい娘になって、毎日親孝行する……」
八重子・緑・有香「……」

大石静「アフリカの夜」第11話より

ここ、本当にびっくりした。
突如、床からびよーーーんと飛び出るみづほ。床下収納から出るなんて、よく思いつくなぁと思う。


そして、いよいよクライマックス。
警察から逃げ、港に辿りついたみづほ、八重子、緑、有香。

みづほ「ねえ、アタシのことは忘れてよ!アタシも、綺麗さっぱり、あの街も、あの店も、あんた達のことも、アフリカのことも忘れるから!」
八重子「アタシは忘れません!絶対忘れません。あなたに会って、礼太郎さんに会って、みんなに会ったこと、強くなれたこと……感謝してます……」
有香「アタシも……」
緑「アタシもよ、だから逃げて!
八重子「だから逃げないで!
みづほ「あたしゃ絶対に逃げ切る!

大石静「アフリカの夜」第11話より

ここは衝撃シーンとは違うが、この三段活用みたいな変化が好き。

みづほ、走って逃げ出す。
有香「オカン!行かないで」
と、走ってみづほにすがりつく。
みづほ「放して!……」
有香「……」
みづほ、再び走り出す。
有香、意識が遠のく。
八重子「有香さん!」
有香、海に落ちる。
みづほ「(有香を振り返りながら走る)……」
八重子「(緑に)助け呼んで来て」
緑、走っていなくなる。
八重子、海に飛び込む。
海に、八重子と緑の手がばたつく。
みづほ「(走って)……」
八重子「しっかり」
有香「助けて」
八重子「大丈夫よ!」
みづほ「(走って)……」
有香・八重子「(必死)……」
みづほ「(走って)……!!!!」
みづほ、覚悟を決めたように、踵を返す。そして、有香の元へ走り出す。
八重子「(みづほを見て)……」
みづほ「(走って)……」
みづほ、海に飛び込む。

大石静「アフリカの夜」第11話より

あんなに、逃げることに固執していたみづほが生まれ変わった瞬間。
このシーンのためにこのドラマはあると言える感動のシーン。

そこで終わらないのが大石静さん!

○港町の倉庫・前
八重子とみづほ、寝ている有香を介抱。
サイレンの音がする。
みづほ・八重子「……」
緑が走って来ている。
みづほ・八重子「……!」
八重子「逃げて……早く逃げて……」
みづほ「……」

大石静「アフリカの夜」第11話より

あんなにみづほが自首することに固執していた八重子がこのセリフを言う。
カタログ人間の八重子が本当に生まれ変わった瞬間なのかも知れない。

港のシーン、何度観ても感動する。


もちろん、八重子と礼太郎の会話、八重子とみづほのやりとり、メゾンアフリカの人たちの関わりも好きだけど、最後まで面白く観られるのは、やっぱり衝撃シーンあってこそだなと思う。

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