「アフリカの夜」㉕ドラマがシリアスになるとき救いになるのは…
ドラマ「アフリカの夜」。
前半はで、八重子が元婚約者の火野史郎と決別する。後半は、指名手配犯のみづほが罪と向き合ってやり直すよう、八重子が奮闘する。
火野史郎役の松重豊のエキセントリックな演技もあり、前半はテーマは重たいながらも、楽しく見ることができる。しかし、後半は本当に重い。シリアス。しかし、そんな深刻な時だからこそ、「かわいい緑」の存在が貴重だ。ともさかりえさん扮する緑は本当にかわいい。
時効があと一ヶ月に迫るころ、テレビで亀田伸枝の声が流れる。勘の良い緑は、その声を聞いて、丸ちゃんのお母さんが亀田伸枝であることが分かる。兄の礼太郎とみづほのことを、パーラーで話している緑と礼太郎。
緑は、マイルールを大切にするタイプで。だから、みづほのことを警察から守ろうとする。それなのに、礼太郎がみづほと二人で会うことは「だって、あの人、人殺しよ!」と否定する。コロッと違うこと言っているのに、なぜか筋は通っている、それが緑だ。
わざわざ福井県警捜査本部に電話する緑。以下、緑と本部長のカットバック。
「人は変化するし、いつかは消えて無くなる」「あなただって、いつかは消えてなくなるの」なんて、急に哲学的なことを言い出す。普段は飄々としているのに、緑の思考は深い。
「市民を威嚇しないでください!」という言い方は、お得意の子どもっぽい天真爛漫口調でかわいい。緑の魅力は、子供っぽさと、哲学者が合わさった人物像。
緑は絵日記で、みづほのことを「ミステリアス度マキシマム」と評価している。それと対比するのが、福井県警本部長「ミステリアス度まるでなし」。マキシマムとまるでなしって……おもしろい。
八重子がみづほに首を絞められたり、みづほの指紋があやしいと思っている近所のクリーニング屋から取られたりと、かなりシリアスなシーンが続く9話。そんな中、緑がいることが観ている人の救いになる。