マックポテトL何個まで食べられる?
夢は、夢のままにしておくと、心の中で発酵する気がする。日本酒を発酵させるときに、ぷくぷくと泡がでている状態のように。
「逃げるは恥だが役に立つスペシャル」は、みくり(新垣結衣)の妊娠出産にまつわる話だった。仕事の始めの日、駐車場で3月に産休に入る先生と会った。「逃げ恥見ましたか?」と聞いてみた。「見ましたよ~。」思った通り食いつきがよかった。その先生は、10月に1ヶ月くらい休んたくらいつわりがひどかった。「みくりさんが、つわりで何もできないの見て、あんなだったんだ、って思ったよ。」と続けた。その人は、何もできないだけじゃなく、ずっと吐いていたみたい。つわりってホント人それぞれだね。
みくりが、つわりの時に食べたくなったものに、マックポテトがでてきた。つわりとマックポテトの組み合わせを見て、大学時代のマックエピソード を思い出した。
当時付き合っていたのは、他の大学の1つ年下の人だった。大学近くの一級河川沿いのワンルームマンションに住んでいた。一人っ子の彼はマイペースだった。勧誘に来た宗教の人の話を一時間近く聞いたらしい。その後、勧誘しに来た人に質問して、答えに反論する。新興宗教の勧誘の人が、自分から諦めて帰ったと嬉しそうに彼は話した。「アゴなしゲンとおれ物語」が愛読書だった。
あるとき彼が言った。「マックポテトをイヤと言うほど食べたい。」マックポテトって、どんなにたくさん食べても、L一個じゃん。いっつも、もっと食べたいって思うんだ、と彼は続けた。そんなバカなこと、普段は思いもしないけど、聞いてみると「ああ分かる、その気持ち」って思う。それを意識して、言葉にできるってすごいと思う。
次に会ったとき、近所の大型激安スーパーのテナントに入っていたマックに二人で行った。「マックポテトL6個ください。」と彼は言った。マンションに帰り、二人で試食。マックポテトって本当においしい。二人でL3個は軽く食べられた。しかし、突然限界は来る。4個目には飽きてきて、塩の効いたポテトに追い塩した。5個目には、もう食べたくないと思った。6個目は限界だったが、二人で意地になって食べた。「あー、もうマックポテトなんて食べたくない。」そう思った。願いが叶った。
それ以来、マックポテトを食べたいと思うことはあっても、ほどほど食べたいと心から思うようになった。