「アフリカの夜」㉗人は道を選ぶことができるんです…八重子の決断
ドラマ「アフリカの夜」。このドラマのすごいなと思うところは、訴えたいテーマが一貫して伝わるところだ。
1話のトップシーン、大雨の海岸通りで故障車を押す八重子と礼太郎。このとき礼太郎がいう「道は開かれている」、これがドラマの主題。その主題が手を変え品を変え、何度も繰り返される。
第三話、本当に愛しているなら、その男の条件が変わっても愛し続けないといけないという有香に。
そう言った八重子。
礼太郎やみづほの言葉で、生きるエネルギーを補給してもらった八重子は、前半のクライマックスで過去のカタログ人間の象徴、火野史郎と決別する。
そして、そこから、殺人で逃亡しているみづほに罪と向き合うよう働きかける。
首を絞められて、命の危険を感じたり
緑から、見逃そうと説得されたりするけど、みづほに自首するよう訴えようと決める。その瞬間。
八重子は突然思いついたように行動することが多い。みづほが殺人犯と気付いた時、礼太郎のいるミニスカパブに乗り込んで「時効って何のためにあるの?」と聞いたこともある。今回も、突然、礼太郎の部屋に押しかける。そして、言いたいことを言ったらそそくさと帰って行く。この猪突猛進な感じが面白い。
ステキなセリフだなぁとうっとりする。「八年前の、あの雨の夜、アタシの選択は多分間違ってた」からの「これから私がする、私が選ぶ道は、間違えじゃないって信じたいの……」。自分の過ちを認めたセリフがあるからこそ、決意表明が輝く。
内容的には、「夫を殺して罪を償わないのはおかしいと思うから、丸ちゃんのお母さんに自首するように言ってくる」ということ。だけど、それを、「私が選ぶ道」ということで、八重子の成長の物語であることが強調されるし、「信じたいの」があることで、自分の未来に希望を見出しているのが分かる。
キラリと光るセリフ。これも長い間心に残り続ける理由だ。