第54回細胞検査士資格認定試験⑦
【技術2】11~15問
答えは太字
11.黄色いバイオハザードマークに廃棄するものとして正しいものはどれですか.
1.血液のついたガーゼ
2.尿の入ったスピッツ
3.検尿コップ
4.検体処理に使用した手袋
5.標本作製中に割れたスライドガラス
感染性医療廃棄物のバイオハザードマークは3種類
赤色:液状・泥状のもの
橙色:血液や汚染物が付着した固形状のもの
黄色:血液や汚染物が付着した鋭利なもの
12.顕微鏡について誤っているものはどれですか.
1.対物レンズの開口数が大きいほど分解能は向上するが焦点深度は浅くなる.
2.視度調整は左右順番に接眼レンズを覗き, フォーカス微動ハンドルでピントを合わせる.
3.対物レンズのカラーコードは JIS 規格で 10 倍が黄色と規定されている.
4.アスベスト小体の計測には位相差顕微鏡が使用される.
5.色収差とは光の波長の違いにより結像位置が異なる現象である.
視度調整を行うのは微動ハンドルではなく視度調整環
13.誤っているものはどれですか.
1.検体取り違えを防ぐために 1 検体ずつ処理を行う.
2.検体処理は防護具を着用し, 安全キャビネット内で行うことが望ましい.
3.脳脊髄液は細胞量が少ないため,高速短時間で遠心し効率よく細胞を回収する.
4.早朝尿の細胞量は多いが, 変性が加わることが多い.
5.穿刺吸引細胞採取では腫瘍の中心部を避けて細胞を採取することが望ましい.
リコールは細胞量が少ないので低速で10分など長時間遠心します。
この選択肢的に3を選ぶようになっているものの、個人的に5番の選択肢は微妙なニュアンスで好きになれないです。
穿刺部位はどんな腫瘍を疑うかで変わって来ると思うからです。
甲状腺の場合、未分化癌は腫瘍中心部で壊死があることが多いため辺縁から採取すると思います。悪性リンパ腫では中心部でないと橋本病との区別がつかないこともあるようです。
濾胞性腫瘍を疑う場合は辺縁と中心2か所採取することもあるようですし…
14.Papanicolaou 染色について誤っているものはどれですか.
1.オレンジ G は酸性色素である.
2.オレンジ G はライトグリーンよりも色素の拡散度が小さい.
3.ギル・ヘマトキシリン染色液は退行性染色である.
4.OG-6 染色液, EA-50 染色液の溶媒はいずれも 95%エタノールである.
5.ビスマルクブラウンは類脂質の染色に関与している.
この問題は以前解説したものと重複するので割愛
15.Polymerase chain reaction(PCR)法について誤っているのはどれですか.
1.DNA 配列上の特定の領域を増幅させる反応である.
2.耐熱性 DNA ポリメラーゼが用いられる.
3.プライマーとは標的 DNA と相補的な配列を持つ短い一本鎖 DNA である.
4.DNA 合成の基質としてデオキシヌクレオチド三リン酸が必要である.
5.反応中は常時約 90°Cに保つ必要がある.
コロナのせいでついにPCRの問題が??となったのを覚えています。私はルーチンでPCRしていないので解けるかなと思ったけど国試の知識でなんとかなった。
DNAを増幅させる検査
大きく分けて3工程ある
①熱変性 92℃
2本鎖DNAを1本鎖にする
②アニーリング 55~60℃
1本鎖にした増幅させたいDNAの両端に相補的な30塩基くらいまでの短い塩基配列を持つプライマーをくっつける
③伸長反応 72℃
耐熱性ポリメラーゼがプライマーと反応してDNA配列を増幅させる
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