習慣化を後押しするアプリ「Routinery」を解剖!
🎍あけましておめでとうございます
GoodpatchでUXデザイナーをしている、こゆきです。note公開の準備をしていて、気づいたら1月中旬…ちょっと遅いですが、あけましておめでとうございます!
新しい年になるとやりたいことや目標が出てきてワクワクしますよね。そんなワクワクは束の間、目標に向けての継続した行動はそう簡単にはいかないのが現実でしょうか。
最近の私は心理学や行動経済学に興味があって勉強中なのですが、継続が難しいのは性格とかその人のやる気だけではなくて、そもそもの人間の特性であるということを新たに知りました。そう、人間だったら仕方がない。だからこそ、その特性を捉えたサービスは世の中に存在しています。
そんなサービスを探すのが好きな私が今回ご紹介するのは、私自身使ってみて簡単にタスクを習慣化できたアプリ「Routinery」です!
📝Routineryとは
Routineryは韓国のスタートアップが2020年にローンチしたサービス。ひとことで言うと「タスクのリマインダーと記録ができる習慣化アプリ」です。2024年時点で下記ができます。
タスク所要時間を設定して、リマインダーを受け取れる
日々のタスクを記録して、週・月単位で実施状況を振り返りできる
一見すると、よくある普通のタスク管理アプリですが、使っていくうちに他アプリに比べてちょぴっと継続しやすかったり、使い心地が格段に違いました。そこでどんな設計になっているのか「解剖」という名の言語化をしてみました。
アプリなどの体験を作る人や興味がある人は、ぜひ自分が設計者だったらどうするのか考えながらご覧ください!
⚙️複数のタスクを習慣化できる仕組み
皆さん、習慣化したいタスクって一つだけではありませんよね。なんだかんだいくつもあると思います。Routineryでは、それらのタスクを一気に習慣化できる仕組みが整っています。
▶︎タスクの登録方法
その仕組みとは、タスクを実行するきっかけをタスク毎ではなく、複数のタスクを束ねて登録するところにあります。例えば私だったら朝に習慣化したいことを下記のように「Morning Routine」としてまとめて登録しています。
最初のタスクをきっかけに実行し始めると、次のタスクも間髪入れずに実行できます。流れになっていることで、次のタスクを実行するために重い腰を上げる前に、次のタスクに自然と着手できるようになりました。
こうして1つのタスクではなく複数のタスクをまとめて実行することで、実は一つのタスクの達成よりも、複数のタスクをまとめて達成できた時の方が感じられる喜びが大きくなっているのです。これは習慣化の鍵と言われる「ハビットループ」を応用しているのではないかと思います。
ハビットループとは以下の3つの要素から構成されます。
Cue(きっかけ): 習慣の開始を促す刺激や状況。これは何かしらのトリガーであり、習慣の始まりを告げるものです
Routine(ルーチン): きっかけに対する反応として行われる実際の行動や習慣。これは特定の行動や活動です
Reward(報酬): ルーチンの実行によって得られる満足感や報酬。これは、習慣が持続する要因となります
つまりRoutineryでは、習慣にしたいタスクをまとめて登録することによって以下の価値をユーザーに提供することに成功しています。
最小限の「きっかけ」で複数のタスクを実行できる
得られる感情の「報酬」も大きくなるので、次回の「きっかけ」の行動を後押しして習慣化しやすくなる
▶︎日々のタスク調整
こうしてまとめて登録できることで習慣化は進みます。しかしやはり人間なので「今日はこのタスクはやりたくない…」「タスクの途中だけど息抜きしちゃいたい…」という気持ちの日はありますし、それが悪いわけではないです。
そんな時にRoutineryでは「できなかった」という罪悪感やストレスを極力感じさせることなく、サクッと調整できるようになっています。具体的には、タスクの一つを飛ばしたり、一旦休憩したい時は以下のように簡単に選択できるようになっています。小さな機能ですが、ユーザーの気持ちに寄り添った体験設計が行き届いていますね。
🌿タスクに集中できる環境づくり
タスクを始めるという行動を起こすことも一苦労ですが、タスクに集中して取り組むこと自体も離脱しやすいポイントですよね。その点もさすがRoutinery、集中できる環境づくりとしても工夫している点がありました。
▶︎タスクの実施中の画面表示
集中力が切れた時についスマホを手に取ってしまった、という経験はありませんか?
最近ではスマホ自体を箱に入れて鍵をかけて閉じ込めてしまう、なんてソリューションも聞きますが、なんとなくイマイチだと思っていました笑 Routineryでは箱の中に閉じ込めることなく、ついスマホを置きたくなるきっかけを作っています。
タスクをスタートした後にスマホを開くと、以下のように画面いっぱいにタスクが表示されるようになっているんです。こんな風にタスクが明確に書かれていると「そうだそうだ、私はこのタスクの途中だったじゃないか」と我に帰ることができます。そんな単純なこと?と思うかもしれませんが、受験勉強などで目標を宣言した紙を貼っておくということをした事がある人も少なくないでしょう。自分の意思を思い出すきっかけを作ることは、ちょっと踏ん張りたい時には有効なのです。
さらに個人的にスマホを置くきっかけになったのが、画面のビジュアルデザインです。タスクと時間が分かりやすいだけでなく、フォントやイラスト、ボタンなどのビジュアルデザイン面で、オシャレな韓国インテリアやプロダクトを彷彿させます。そして不思議と画面が素敵なので、インテリア感覚で机の上に「飾りたく」なるんです。
すると自然とスマホは手から離れるので、タスクの途中にスマホを触る行為が格段に減りました。どれほど予期されて設計されていたことかはわかりませんが、個人的にはついスマホを飾っていた自分の行動に驚きました。ここまで無意識に抵抗なくスマホを手放せるとは思ってもみませんでした。
▶︎タスクの実施中の音声環境
そしてスマホ自体からの誘惑を断ち切ることができたとしても、他にも集中力を阻害される要因はあり、その一つに「音」が気になる方は多いのではないでしょうか?Routineryでは、なんとそこまでサポートしているんです。
まずは開始と終了を知らせる際に実行の流れの妨げにならないよう、アラーム音が一工夫されています。一般的にアラーム音といえば目覚まし時計などに使われる音を想像しますが、Routineryでは「次はOOOです〜」といった人間の音声で案内が流れます。設定で案内有無と音量をタスク毎に調整することも可能です。アプリからのアラーム音でドキッとさせられることもなく、タスクに集中することができるのです。
さらにより集中できる環境を作るために「ホワイトノイズ」つまり作業BGMを設定することもできます。その音は瞑想アプリでも推奨されている環境音なので集中力UPを期待できます。こうした機能もYoutubeや音声アプリを開くことなく、Routineryのタスク画面でサクッと実施できることも非常に魅力的です。作業用BGMをつけようとしてYoutubeのショートを眺めていた…という自分の行動を見透かされているような気持ちになるくらい、ユーザーが離脱する行動を理解して設計されているのではとないかと感動しました。
まとめ
ここまでをまとめると、Routineryが他の習慣化アプリとは違う体験を生み出すことができているのは、以下5つの工夫があるからだと考えています。
タスクを束ねて登録し、最小限の「きっかけ」で複数タスクを習慣化できる
タスクのスキップ・入れ替えを用意して、できない時のストレスを最小化できる
画面のビジュアルデザインで、スマホを机に置きたくなってタスクに集中できる
タスク実施中の音声環境まで整えて、集中力を高めることができる
終わりに
Routinery、いかがでしたか?これだけユーザーの特性を理解した上でアプリが設計されていると、一週間・1ヶ月簡単に継続できちゃうんです。みなさんもぜひ一度アプリをダウンロードして、新年の目標を入れて使ってみてください!
今回のRoutineryのように、話題になっているアプリやAppStoreで上位になるアプリを触るようにしていますが、こうやって言語化することで、自分がアプリの体験設計をするときに活かせるのではないかと思います。
良いサービスを作る上でアプリの体験設計は一要素に過ぎず、他にもビジネス観点やアプリ以外の接点の設計なども勉強する必要があります。しかしまずはUXデザイナーとして何が良い体験かを見極め、再現できるようになることを意識して、今後も言語化したものをぼちぼち発信して行きます!
今回の記事のように、日頃が使っているサービス・アプリの体験の良さについて考察している方、自分もサービスやアプリで良い体験を作りたいと思っている方、ぜひ一度お話ししてみませんか?ご連絡お待ちしております〜↓
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