2019年11月29日の夢日記
千歳烏山の自宅に着く。
わたしの家はかなり古く、文化財ものだ。部屋の窓を開けると、向こう側に大きな絵が見え、ギョッとしてから冷静に見るとわたしのお父さんの絵だった。
窓の裏には隠れたスペースがあり、すっかり忘れていたが開けると父の私物の画集がずらっと並べられていた。小さい頃の記憶が蘇った。お父さんは、入院前に自分の部屋をほとんど何も無いくらいまで整理してしまっていたが、本当はここに隠していたようだ。でも、大事に隠していてもこれらを見返したり懐かしんだりすることはあったのだろうか。そんなことを考えると切なくなった。
自分の部屋に目を戻すと、目張りされた大きなタンスが気になった。そういえばずっと前からここにあるが、中に何が入っているのか知らない。ガムテープを剥がして開けてみると、タンスの裏が切り抜かれて壁の向こう側と繋がっており、隠し部屋があった。そこには大量の古い本が隠されていた。売ったら価値がありそうだ。
なんとなく、家賃が上がった不安から初めて風俗の面接へ行く。
自分はどうせ落ちるだろう、と思って面接を待っていたら、シーツで仕切られた外を見ると男の客がずらっと並んでいた。女性不足で実店舗が無いため、月に一度の巡回営業で毎回トラック2台分の男性が並ぶらしい。
当時の慰安婦のようだなと思った。
隣にいた女性は、プロのAV女優らしく、時々地方営業のようにこうやって店に立つことがあると言っていた。その人に、すこしでも悩むならやめたほうがいいよ、と言われ、私は迷わず、すみません気分が悪くなって、とボーイのおっさんに言って帰ろうとしたら、もうすこしだから、と戻されかけたのでそのままおっさんを振り切って走って逃げた。
しばらく走り、もう追いつかれないだろうと思ったところで所得の低い人達が集められた街の一角のカレー屋にはいる。みんな床に座り、カレーを作るというよりNPO法人の仕事をしているのだが、その中に中高の同級生がいた。その子は金持ちだが、昔からこうやってボランティアすることが趣味な子だった。
せっかくだから散歩に行こうよ、と誘った。仙川の駅前には、まだ昭和で時間が止まったような船着場がある。でもそこに停留している舟はもうどれも動かない。ずらっと、ゴミみたいな木造の船が並んでいるばかりだ。
その中でもひときわ大きい木造の廃船に侵入した。底が抜けたら、そのまま海に真っ逆さまに落ちる。
半分壊れた船内から外を見渡すと、大きな海が広がっていた。これから時々ここに来よう、そう思った。気づくと同級生はいなくなっていた。