蒟蒻芋
蒟蒻芋(こんにゃくいも)です。
コンニャクの原料です。
実家の庭の端に畑があります。
そこに母親が蒟蒻芋(こんにゃくのいも)を植えています。
「こんにゃくの芋は、人に付く」と云われ、ある人が世話をすれば芋がなり、ある人が世話をしても芋が付かず、全滅するそうです。
芋が人を観ているのか、人が分かるのか、単なる偶然か、人智を超えた話として昔からそういう風に伝えられてきたそうです。(母親の菊江談)
実際の話、世話は何もしないそうです。
5月29日(こんにゃくの日)に植えて、後は放ったらかし。それでいて秋の季節になると立派な蒟蒻芋になっているそうです。
奥に住んでる人は、ハウスでいろんな野菜を作っていますが、蒟蒻芋は付かないそうです。
クセは強いですが決して悪い人ではないことは確かなのですが、どうやっても芋が付かないらしいです。
芋は一体何を観たのでしょう。どういう理由で?
人智を超えていますね。
ある時、母親に作り方の秘訣を聞いてきたらしいのですが、秘訣も何も、何にもしないのですから話しようがなかったらしいです。
子供の頃、おかずにコンニャクがよく出てきました。ほとんど自給自足の生活ですから、コンニャクも自分の家で作っていましたね。
土のついたカボチャみたいな蒟蒻芋を掘ってきて、切って、湯がいて、擂り潰して、成形して、煮て、とやってました。
竈(かまど)がある外の台所が作業場でした。
そして、凝固剤として囲炉裏の灰を使ってましたね。
今は、水酸化カルシウムを使うようですが、昔の人はあるもので代用するので、灰を使ってました。
コンニャクって、スーパーで売っているような四角形のきれいな形をしているもので、楕円形の弁当箱の崩れたような形のはちがう、いびつーと思ってました。
母親には申し訳ないですが、美味しいと思ったこともないです。
昆布、シイタケ、ジャガイモ、タケノコと一緒に煮物にしていました。
子供の口には合わなかったのです。
今では美味しいと感じますよ。
現在は、コンニャクを自分で作る人が増えているのか、「道の駅」に芋を出すとよく買ってくれるそうです。
そんなのを好きな人がいるのですね。
幸せなことで、有難いことです。
感謝します。
今では母親はコンニャク作りはしていません。
弘瀬厚洋