印刷の黒色
黒色っていうとすぐにイメージできると思いますが、印刷の黒色は単純ではなくて、実はすごく難しくミスが起きやすいのです。
デザイナーさんはIllustratorを使用しデータを作成すると思いますが、
その際に黒色を使うときはK(ブラック)を使用して作ると思います。
この時に注意しなければいけないのがK100%のオブジェクトです。
印刷にはオーバープリント(ノセ)という処理をおこない印刷する事があります。一般的な印刷ではK100%のオブジェクトを自動でオーバープリント(ノセ)処理をすることがほとんどです。
オーバープリント(ノセ)とは?
オーバープリント(ノセ)の処理がされているオブジェクトの下のオブジェクトも印刷するという処理になります。単純にいうと透過するということになります。
なぜオーバープリント(ノセ)をするのか?
という疑問になりますよね。
印刷ではどうしても見当不良が起きてしまう事があります。機械性能・紙の伸び縮み・気温や湿度などの環境・技術不足など様々な原因があります。
図のように見当不良が起きてしまった時に見栄えが良くなリます。
しかし、真ん中の図のように黒色の下にあるオブジェクトが透けてしまうというこが起きてしまいます。刷り直しなどのトラブルになってしますので、その場合は対処しなければいけません。
ではどのような対処をするかということになりますよね?
そもそも自動でオーバープリント(ノセ)処理が行われる条件はなんでしょうか?
K100%
これだけです。
つまり、K100%を避ければいいのです!
対処法は様々ありますが、
専門的に対処する場合はリッチブラック処理になります。
リッチブラックとは?
メリット
オーバープリント(ノセ)処理が行われなくなる
黒色が濃くなる
デメリット
見当不良が起きたときは色ズレが見える
数値が大きすぎると裏うつりなどのトラブルが起きる(CMYKの総合が300%を超える)
その他の対処法としては
K100%オブジェクトとその下にあるオブジェクトの間に白色のオブジェクトをはさみます。
これから紹介する方法はあまりオススメしませんが
K99%にする。
そもそも自動オーバープリント処理しない設定にする。そのかわりにオーバープリントをしたい箇所をIllustratorで手動で設定する。正直、超高確率でやり忘れます😂そしてめちゃくちゃ手間かかります。そしてその設定が入っているまま色を変えてしまい違うトラブルが起きます。特に気をつけるのが白色のオーバープリントです。白色はオーバープリント処理を行うと透明になってしまい消えてしまいます。自分自身何回もそのミスしてます😢
手動で設定することは本当にオススメしません。
最後に
デザインする際になかなかオーバープリント(ノセ)を気にして制作することはないと思いますが、DTPオペレータはそういった仕事をしている事を知っていただけたらと思います。
グラフィックデザイナーが印刷の知識を持つことは非常にいい事です。
こういった知識をまた紹介できたらと思います。
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