【良書】心配事の97%は起こらない。無駄な苦しみを捨てよう | 無(最高の状態) 鈴木 祐 (著) | #塚本本棚
【良書でした!】目の前の幸せを失わないために、定期的に読み返したい。
子供が出来てからというもの、僕は色んな事に備えすぎていると思う。子供が30歳になるまでの鉄壁のライフプランニングを作り、前倒してライフイベント事の資金を確保し、もしもの事が起こった時に保険などで供えた後も、健康不安やもし万が一の災害やビジネスのこと等々。
ただ、そのほとんどの事が起こらないとしたら、僕はとても人生を無駄遣いしているのではないかと思うようになった。
・
今日は「無(最高の状態) ( https://amzn.to/3ThfDUa )」 鈴木 祐 (著) #塚本本棚
・
【紹介文】
この本の目的は、あなたの不安や心配事をクリアにし、あなたが生まれ持つポテンシャルを取り戻すお手伝いをすることです。
原始仏教の経典から神経科学や脳科学の最先端研究まで、さまざまな文献を横断しながら真の智慧を授ける一冊!
・
・
【書評】
起業家は明日をも知れぬ道を歩いています。急に取引先が無くなったり、社員が去ったり、横領されて資金が枯渇したり、協業先からはしごを外されて裏切られたり、本当につらい時に家族から離婚を切り出されたり等々...それらの場面場面でアドバイスをする僕は、よくメンタルが強いと言われます(悟ってるとか、達観してるとかも)。
それは過去に大きな悲劇を乗り越えたというのもあるのですが、”起きてしまったことはしょうがない。そこからふさぎ込むのは時間の無駄である”という思いもあります。そして、よく”本当につらい時は、未来のことを考える必要はない。まず今、今に集中すればいい。未来のことは余裕が出てからでいい。”とアドバイスをしてきました。
本書を読むと、経験から紡ぎ出たこのアドバイスは、脳科学的にあながち間違ってなかったなと思います。あと、”怒りが湧いて来た時は息を止めろ、息が苦しくなった時には割と収まってるから”というアドバイスも、前頭葉の働きや脳の錯覚の2つの意味で間違ってなかったなと思いました。
現代では過剰となったネガティブな遺伝子。それに伴い放出される神経伝達物資は厄介ですが、その原因を観察し、理解することで、これらの奴隷になって人生を損しないように生きたいものだなと強く感じます。
【本を読んで考えたこと・メモ】
・生存確率を上げる為なのか、人類皆”生まれつきネガティブ”。ネガティビティバイアスが働きやすくなっている。マイナスなことほど記憶に残り、プラスなことはすぐ忘れる
・危険に溢れた原始の時代に役に立った警戒システムが、安全が増した現代ではうまく機能していない(過剰に機能している)
・哺乳類は苦しみをこじらせず、少しの時が経てば以前の状態に戻るが、人間はそこから起こりうる可能性や妄想を膨らませ、苦しみを自ら増大させ続ける
・”怒り”の神経伝達物質は、6秒後からは前頭葉が押さえつけにかかり、15分もたてばアドレナリンやノルアドレナリンの影響力はほとんど消える。始まりの6秒をやり過ごすことが大事
・”欲望”の神経伝達物質ドーパミンは、人間のモチベーションを駆動させる物質で影響下に置かれたら逃れるのは困難。しかし、欲望を抱いた直後に他のことで脳の注意を一時的にそらしてやると(10分程度)、前頭葉のコントロールが戻り始める
・脳は現実よりも、これまでの経験などから形成された”予測(物語)”を大事にする。現実は悲観的でなくても、これはそうであるに違いないと予測から勝手につじつまを合わせてしまうので、そんな脳の特性を把握し、自分を客観視できることが大事
・脳はこれまでの経験などから、時に現実とは異なる勝手な物語を作る。それに対抗するためには心に”結界”を作る事が大事。具体的には体の状態を健康に保ちつつ、瞑想(だけでなく、時に呼吸法であったり、セーフプレイスの中に入るなど人それぞれで様々)などをうまく組み合わせてリセットする
・脳の暴走を止める方法(グラウンディング)には複数のやり方がある。自己解説法、54321法、暗算法などなど。脳の注意を暴走から今に引き戻す効果がある
・環境が人を作るのは、環境で得た経験をもとに脳が予測を作るから
・自分の脳が起こす誤った予測(悪法)をノートなどにつけ、内観し是正していく←コーチングやメンテーションが担っている部分でもあるか?
・自分の脳に”(脳が予測したものとは違う)別の現実はあるのだ”という事を認識させる
・「苦しみ=痛み×抵抗」。登山を自ら登るのと、強制的にやらされるのでは苦痛が全く変わってくる←日本人の仕事嫌いにもこの傾向があるか?同じ痛みがあっても、自分で選んだ痛みなのか(=抵抗が少ない)、他人に与えられた痛みなのか(=抵抗が大きい)で苦しみは変わる
・歌や念仏などは、脳が自分の悪法による物語を紡ぐ運動を、抑制させる効果がある(忘我)