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【良書です】3分間コーチ ひとりでも部下のいる人のための世界一シンプルなマネジメント術 #塚本本棚

【良書です】「何かあったら聞いてね」じゃ、”聞けない”んです。なぜだかわかる?

わからない。

そんな、プレイヤー気質で部下の事がよくわからないマネージャーや起業家にとっては名著だと思います。平易に書いてありますが、深い。今ならkindle unlimitedで無料です。


今日は「3分間コーチ ひとりでも部下のいる人のための世界一シンプルなマネジメント術( https://amzn.to/2UlcIfo )」伊藤守 (著) #塚本本棚


【紹介文】
(前文略)まず、部下のために3分の時間をとること、部下のことを考える時間をとることです。マニュアル通りの質問技術を覚えることではなくて、部下を理解し、部下に話させ、部下を成長させることを目的とします。では、具体的に、どんなときに、部下は、上司との会話を求めているのか?本書では、その「場面」をあげることに重点が置かれています。なぜなら、さまざまなマネジメント法はあっても、実際に、いつ、どんな場面で、どんなふうにつかったらいいのかがわからず、結局はつかわれないのがほとんどだからです。

さらに、今すぐにでも可能で、部下にも上司にも負担がかからず、かつ、効果が高い。

そんな方法があるの? と思われるかもしれませんが、あるのです


【書評】
タイトルを「部下を動かす魔法の3分」とか「いいマネージャーは、そこまでやる!」とかにするともっと売れたかもしれない。タイトルで損している気がする。でも良書。

顧問をしていると
・社員の生産性が上がらない
・社員がやる気がない
・何がわからないか聞いても返答があいまい
・やると言ってくれたけど進捗が遅い
・悩んでるようだが、何も相談してくれない

などという起業家の悩みを多く聞きますが、「じゃあ、社長はどう社員に接してるの?」と聞くと(それじゃあ怖くて答えられないだろうな)とか、(それだと何がわからないかわからないときに俯いちゃうよな)というような答えが返ってきます。

それらの起業家の多くが、
・若くして起業し、マネジメント経験がない
・軍隊型の組織で、上司の命令は絶対な中で育った
・プレイングマネージャーとして部下もライバルだった
とかって人が多いんです。

例えば、「何かあったら聞いてね」じゃあなく、「〇〇に対して、どう考えてる?うん。じゃあどうやったらできると思う?」と聞いた方が人は動く。

更に言えば、社員が余裕がない時ではなく聞く準備が出来ていて、本心を言えるタイミングで聞く。そんなTipsが散りばめられている本です。

みんなマネジメント経験ないから苦手で、自分もわからないからちょっと突き放しちゃうのはわかるんですが、この本はそんなみんなに少し助け舟を出してくれると思います。

この本を読んで、少し昔を思い出しました。今は日立本体の事業本部長になっている僕のいくつか年上の元上司は、本当にこれがうまかったなと。

時にふざけてみて安心させたり、時には退路を断たせて(でも本当は僕が失敗したら自分が責任を取るつもりで)突き放して、成功したら成果は僕にくれて、頑張ればこうなれるとキャリアを示してくれて、何かトラブルが起きても謝って場を収めるだけではなく、より深く顧客とつながる誠実さや、やらなくていい仕事をどう断るかなんてのも背中を見せてくれたなぁって。

「わかった?んじゃあ、説明して見せて」って言う風にいつも話しかけてくれて、「わかりました」なんて、あいまいな返答を許してくれなかったけど、だからしっかりと強くなれたし、それが部下に失敗させないための、彼なりの優しさなんだっていうのもわかってたから、とても感謝したものです。


【本を読んで考えた・メモ】
・言いたいことはシンプル。「部下について考える時間を取る」、そして「部下と的を絞った短い会話をするための時間を取る」、以上

・上司という「権威」で指示を出せば、部下は簡単に会社を辞めてしまう

・システムや仕組みは大事だが、それを動かすのは人である。人が行わなければ計画は実現しない

・得手不得手や感情がある人間を動かすのは難しい。人間に対する知識が必要

・指示待ち社員の自発性をどう高めるか?報連相をしない社員と同コミュニケーションをとるか?納期を守らなかったり遅刻する社員にどう責任感を持たせるか?→上から権威を振りかざしても解決しないよ。より高度な方法じゃないとダメ→部下育成のためのコミュニケーション能力が必要→本書の内容

・指示するのではなく、まず傾聴。しかし、傾聴スキルを高める前にまずはコミュニケートしよう、3分時間を取ろう→ついでの3分ではなく、その人と話すという事が目的の3分を

・その真摯に向き合う3分が、部下に自己重要感を植え付ける

・”仕事の流れの中で”目の前に起こっていることについて話す→お互いが見て聴いて触れてわかることをテーマに話す

・向き合って3分の会話をすれば、社員のちょっとした変化、ヒヤリハットの兆候に気が付くようになる

・部下の価値観は自分と違うかもしれない。部下について”だけ”考える時間を取ろう、普段から

・話しかけただけですぐ行動が起こると期待してはいけない。人は気づき→熟考→選択→行動のプロセスを取る。気づきを与えれば、その場で行動が起こらずとも、ふと思い返しながら熟考のプロセスに移る

・「もし、あなたに言われたとおりに部下が動くのなら、あなたは必要ない」。その通りだなぁ

・議論が白熱しても、部下にハイと言わせても、それで現場が動くはずとは言い切れない

・社員たちの主な業務を妨げる障害としては
1、どれからやっていいかわからない
2、スキル不足
3、優柔不断
4、失敗などへの不安
5、1~4などを理由とするモチベーションの低下
であるが、これはアウトプット(上司などへのコミュニケーション)すれば解決する問題だ

・「何かあったら声かけて」、「いつでも相談して」は一見親切そうだが、漠然としていて部下は声をかける機会を見つけられない。「判断に迷った時や、優先順位に迷いがある時、予想外の事が起こった時は、〇〇さんの方から遠慮なく声かけてね」ぐらい言おう

・コミュニケーションを交わすときは、お互いの関係は平等で対等

・社員が営業に行く前に「頑張れよ」とだけ声をかけるのではダメで、「今日はどんな感じで売ってこようと考えてるの?」と部下が答えられる、または質問できるように促してこそ上司の仕事

・P123、P126を読むだけで、この人がどれだけ部下となる立場の人間を、分析しつくしているかがわかる。すごい

・人が黙るのには理由がある

・上司の仕事は部下に仕事をさせる事ではなく、部下が自ら進んで仕事をしようという気にさせる事

・答えを強要しない

・人は、楽しさのなかで成長する

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