キャリア(生活)の安定は誰がもたらしてくれるのか
再就職支援という言葉はもしかしたら転職支援に比べると、知っている人は多くないかもしれません。
私は人材会社側で再就職支援の経験もあるのですが、求職者に対して次にどんな企業で働きたいかの希望を尋ねる場面があります。
これまで転職をあまり考えてこなかった方が多いので、希望を問われても考えがまとまっていないことも多いです。それで絞り出すように一言。
「長く勤められる会社がいいですね。。。」
ごもっともです。
誤解のないように補足しますが、人員削減は何も成果を出していない人ばかりが対象になるわけではありません。
部門の縮小や閉鎖、グローバルへの統合で日本にはポジションが置けなくなった、自ら希望したなど、状況は様々です。
これまで数十年にわたって活躍してきたにもかかわらず、突然、転職活動をすることになってしまったその心境は、気軽にわかりますだなんて言えませんが、せめてできる限りの誠意を持って深く受け止めるようにはしています。
終身雇用の崩壊だなんて、もう20年くらいは言われていることですが、いざ当事者にならないと自覚できないのも致し方ありません。
いざという時に、食いっぱぐれないキャリア設計を考えなければなりません。
それは、有名企業に入れば叶うわけではありません(再就職支援のクライアント企業の多くは有名上場企業です)。
生活の変化(移住、介護、子育て、パートナーの病気など)あるいは勤務先での変化(転勤、異動、人員削減など)など、何が起こるかは誰にもわかりません。
だからそのとき、ある程度どこでも活躍できるスキルを持った自分でいられるように善処していくのです。
もしかしたらスキルだけでなく、前職からのつながりや、取引先とのコネ、あるいは副業かもしれませんが、活かせるものは多いに越したことはありません。
言うまでもなく安定は、所属組織がもたらしてくれるのではなく、自分自身のスキルや人間関係などの積み重ねがもたらしてくれるのです。
もはや手垢のついたようなメッセージですが、再就職支援の現場でサポートをしていて強く痛感するところです。