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合否の代わりに「もう少し転職活動してみたら?」と面接官に言われた話
私の話です。いま転職エージェントをしていますが、いまの会社に転職するよりさらに数年前の話です。
私は当時20代後半にして初めての転職活動で、迷いに迷っていました。
・現職は働き方と給与の観点から続けていける気がしない(ハードで低年収)。だから今の会社は辞めたい。
・何がやりたいかはよくわからない。興味のある業種はいくつかあるが新卒時とさほど変わらない。希望の職種を考えようと思ってもどれも強い熱量をいまいち持てない。
・自分に何ができるのかもよくわからない。現職で便利屋な扱いを受けているので、専門分野がない。自信を持てるようなスキルやわかりやすい経験(〇〇経験3年以上とか)がない。
・現職と似た業界はイメージがつくので目を引かれるものの、「じゃあ転職する意味はないのでは?結局のところただ現職を辞めたいだけなのでは?」と自問してしまって苦しい。
いま振り返ってみると、こんな状態ではまだ転職活動をするべきじゃなかったと思います。正確には、応募活動をスタートするべきではなかったです。
そして、こんな不安定な状態ながら受けた面接で、面接終わりにこう言われました。
「まだ転職活動始めて間もないんですよね?もう少し活動してみて、それでももし弊社に興味があれば連絡ください」
面接中も「まだ考えがまとまってないんですね、焦らずに自分の進路を考えてみてください」というスタンスで接してもらい、ほぼ人生相談みたいな形になったように記憶しています。
当時の私にとってはありがたくもあり、情けなさも痛感した面接となりました。合否すら一切伝えられることはなくて、「合否を出すまでもない」ような地点にいることが情けなく悔しかったんです。
採用企業側からすると、こんな人はとても採用しにくいですよね。
・どんな貢献をしてくれるのかも未知数
・長く続けてくれるのかも未知数
・人柄は真面目そうだが何かうじうじしてる
たとえ、学歴や営業成績など何かの観点でスペシャルなスペックがあったとしても、まず採用には至らなそうです。
自分の状態を、自分でうまく言葉にできないのはとてももどかしいものです。
この原体験があるので、転職理由や志望動機をちゃんと伝えられない苦しさはすごくよくわかります。
とはいえ、転職活動においては転職理由や志望動機はあまりに身近なことなので、転職エージェントとしてはとてもあっさりと、転職希望者に尋ねがちです。
言葉にできて当たり前かのようなスタンスにならないよう、忘れたくない原体験として時々思い返すようにしています。