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月光浴

南伊豆へ引越してきてよかった事のひとつ。

夜は街灯がほとんどなく真っ暗闇。
特にうちの周りには家が少ないので
月のでていない日は闇夜である。

玄関を開けると真っ暗。
2〜3歩、歩くのがやっとで初めの頃は怖かった。
しかも山から鹿の鳴き声も聞こえてくる。
裏山からカサカサッなんて音が聞こえることもある。(野生動物も多い)

闇夜のおかげで満点の星空を拝む事ができるし、
雲のない夜空には月が輝いて明るく照らしてくれる。

鎌倉にいる頃もよく、仕事終わりに外へ出て
月光浴をしていた。
「うーん」と両手を広げて深呼吸をする。
月のパワーを全身で受ける。

鎌倉の中でも街灯の少ない場所だったけど、
私達には明るすぎた。

ここへ来てようやく理想の闇夜を手に入れた。

秋になり陽が沈むのも早くなったので
夕食前、まずみんなで月を眺める。
「昨日まであんなに細い月だったのにね。」とか
「明るくて綺麗だね。」とか
月や星を眺めながら言葉を交わす。

あっという間に暗くなって、
月は一層輝きだす。

夕食の片付けをして母をお風呂に入れ
おやすみを言い、一息ついたら
外に出る。

月光浴の時間が始まる。

今日の1日を思い出し、虫の音と鹿の声を聞きながら月からパワーをもらう、私の儀式だ。

辛い事も楽しい事もあるけど
この儀式をやると
あぁ今日も良い日だった。
と満ち足りた気分になって1日が終わる。

私にはなくてはならない大切な時間。

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