行政書士と相続
行政書士試験における家族法
私は2013年の行政書士試験に合格しました。
行政書士試験はどれだけ行政法と民法で得点できるかが鍵であり、商法・会社法や民法の中の婚姻や相続などの家族法についてはあまり重要視されていなかった。
自分も例にもれずに行政法と民法の中の債権法と文章理解に力を入れて勉強をしてきました。
なので、相続についてはちょっと知識があいまいです。
さらに最近は家族法を中心にした大きな法改正がありました。
なので、なおさら家族法については苦手意識を持っていました。
行政書士と業際問題
行政書士と弁護士などの別の法律職との独占業務の範囲についてトラブルが絶えません。
行政書士の独占業務は
「官公署に提出する書類および事実証明・権利義務に関する書類の作成代理」です。
「事実証明」というのが大事で、相続業務の中で遺産分割協議書の作成がありますが、相続人同士で揉めている場合にどちらかの立場になって書類を書いて争ってはいけません。これは弁護士の独占業務になります。
特に内容証明については実際に弁護士から弁護士法違反として訴えられる行政書士も多くいます。
例えば、500万円を貸したAさんと借りたBさんがいます。Aさんが
「今月分の返済が無いけどどうなってる?」
って感じの内容証明郵便を送るのは問題なし。
しかし、
「500万円はすでに完済してるからもう払わないよ」
って返事があった場合に
「そんなはずは無いから返済しろ。」
って感じの内容証明郵便を送るのは争いが発生しているため弁護士法違反になります。
また、不動産が相続されると登記の移転手続きが必要になりますが、これも行政書士が手続きすることはできません。これは司法書士の独占業務になります。
ほかにも年金関連の手続きは社会保険労務士の独占業務になったりと相続にはいろんな士業が関わります。
※文章力の鍛錬中なので正確な情報ではありません。
相続業務こそ街の法律家としての真価を発揮する
相続業務については業際問題のせいでマイナスイメージがありました。ところがそれを一転させる出来事がありました。
今から3年前に家族と盤渓スキー場に行きウィンタースポーツを楽しんだ帰り道でした。突然知らない番号から着信。
「こちらは〇〇消防です。お父さんが自宅のベッドで意識が無くて息をしてません。」
緊迫しているであろう空気感を電話越しでも感じながら、慌てて札幌から旭川へ高速道路を走りました。
旭川の実家に到着すると親戚がすでに集まっていて今後の手続きについて話をしていて自分もそこに加わりました。
今回は突然死だったので実家の方もなにも準備ができていませんでした。
葬儀屋の手配や銀行口座や借金の有無など財政状況の確認をして葬儀の予算を決めたりと葬式にたどり着くまでにやらないといけないことがたくさんありました。
葬式を終えた後は父の保険やクレジットカードなどの解約手続き、退職手続きなど父の手続きの後は母の手続きに続きます。
全部ひとりでやったので役所行ったり職場行ったり携帯ショップ行ったり休む暇もなく動き回りました。
最後に
今改めて思うのが、あのときに行政書士に依頼していたら父の喪に服す時間もあったのかな。と改めて行政書士の必要性を感じました。
行政手続きや法律上の問題などにも精通している行政書士はこんな当惑した状況になんとも頼もしいことでしょう。
法律は戦うための知識ではない。トラブルの時に頼りになる弁護士もいいですが、戦うためでは無く困ったときに寄り添う行政書士のスタイルはまさに街の法律家を体言しているのでしょうね。
って話。