映画「PERFECT DAYS」(2023日独合作/ヴィム・ヴェンダース監督)
傑作でした!
特に、「ノマドランド」や「ケイコ耳を澄ませて」などの、後からジワジワくる静かな映画を観るのが好きな方にお勧めです。
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主人公(役所広司)は、古いアパートに一人で暮らしています。
仕事は、公衆トイレの清掃員です。
風呂が無いので銭湯に通い、
洗濯機が無いのでコインランドリーで洗濯します。
テレビもインターネットもないのですが、
古本屋で買った本を読み、カセットテープで音楽聴き、たまに行きつけの飲み屋に行くなどして、それなりに楽しそうに暮らしています。
でも、涙を流すシーンもあります。
涙の真意はよく分かりません。
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ところで、こういう生活は、若い人たちにとっては「驚き」なのかもしれません。
でも実は、私が大学卒業後の1年間にやっていた生活とよく似てるんです。
そのときの私は、「清掃員」ではなかったのですが、日銭を稼ぐような仕事をしていて、まさに、風呂も洗濯機もない6畳一間のアパートで暮らしていました。
でも、その1年間のことは、今でもとても鮮明に覚えているんです。
それはおそらく、余分な物が何も無かったからこそ、ほんのちょっとしたことで
「ああ、今日はとてもいい日だった」
と思えるような、非常に感度の高い精神状態にあったからなんだと思います。
例えば、それは、友人から電話が来たり、夕焼けがきれいだったりと、
そんな「ほんのちょっとしたこと」を大きな幸せとして感じることができた時期でした。
この映画の題名である「PERFECT DAYS」(完璧な日々)とは、そういう意味なんじゃないかと、昔の生活を思い出しながら考えた次第です。
そんな生活は自分なりに十分楽しいものだったのですが、
親や友人が「これからどうするんだ!」などと言って激しく説教してきたときには、さすがにへこんでしまいました。
そして、そういう圧力に負けて、就職してしまったのです。
だから、自分は、PERFECT DAYSを続けられなかった「負け犬」なんです。
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※ おまけ:ナオコを探せ!
この映画には研ナオコさんが端役で出演しています。
もしもこの映画をご覧になる際は探してみてください。
でもほんの一瞬しか映らないので、結構難しいですよ。
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