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性格他己診断、やってみた
今回は、パーソナリティ診断(性格診断)の他己診断バージョンを作ってやってみた。他己診断は、就職・転職の際によく使われる診断で、自分の性格に適した職業を、他人の目線から診断するものだ。この診断方法は、就職時だけでなく、普段の自分のパーソナリティを見つめ直す上でも有用だと考えた。そこで今回は、他己診断を自分で作ってみて、試してみることにした。
他己診断の作成
他己診断を作成するにあたり、「ジョハリの窓」を参考にした。「ジョハリの窓」は、自分と他者の認識の違いを明確にするフレームワークであり、自己理解を深めるのに役立つ。特に、自分では気づかない「盲点」や他者には明らかでない「秘密」の部分を知れることが、他己診断の面白いポイントである。
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肝心の診断項目は、性格診断で使われるビッグファイブとMBTIの指標を使うことにした。また、性格だけでなく価値観も測りたいと思ったので、エリン・メイヤー氏の「カルチャーマップ」を参考に、価値観の項目も取り入れることにした。
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診断の実施
実際に、親しい人5人に他己診断を依頼した。Googleフォームを使って診断用のアンケートを作成し、回答してもらうことにした。そして、自分の診断結果と、5人からの他己診断結果の平均値を比較した。
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各指標は高い、普通、低いの3択で回答してもらった。それぞれ3、2、1と値を振って、他己平均を計算した。自己の値が他者より高いものは「自分しか知らない特性(=秘密)」、自己の値が低ければ「他者しか知らない特性(=盲点)」となる。自分も相手も高い&自分も相手も低い特性は「認識一致」とラベル付けした。
診断の結果
自分と他者、両方が高かった特性(=認識一致)
ここに含まれるのは、知識欲、自己効力感、内向、ロジカルな意思決定、推理的な認知があった。これらは自分もそう思って生きているもので、他人とやり取りするときにもよく露出している特性だと感じた。例えば知識欲で言うと、自分で調べたことや考えたことをよく語りがちなので、その点が影響したのであろう。
自分は低いが他者が高かった特性(=盲点)
ここに含まれるのは、バイタリティ、達成志向があった。いずれも個人的には足りないもの(=課題)だと思っていたので、この特性が高いと言われるのは嬉しいものでもあった。ただし、この2つの特性は、他人には良く見えがちなものでもあると思う。自分は、雑談をする中でポジティブな話をするように心がけているので、他人が聞く自分の姿には、バイアスがかかっている可能性があるからだ。この点を踏まえて、他人の評価を冷静に受け入れるべきと考える。
自分は高いが他者は低く評価した(=秘密)
ここに含まれるのは、芸術への関心、対立を良しとする議論などがあった。それぞれ、自分としては高くありたい、と思っているが、他者からは観測できるほど高くないものだった。例えば芸術への関心でいうと、たまに美術館に行ったりするが、アウトプットすることは少ない。デッサンや書道などをたまにやるが、他人に見える(言う)ほどはやっていない。つまり、自分のAS-ISとTO-BEのギャップがある特性、自分が課題に感じている特性と言える。
解釈が難しい項目
今回の他己診断では、面白い特性があった一方で、全ての項目が有益だったわけではない。カルチャーマップを参考にした「価値観」の項目は、他者からの視点であまり解釈できていないように感じた。これは、文化的な価値観や背景が他者からは判断しにくい面である、ということなのではと思う。
まとめ
他者からの視点を通じて、自分のことを客観的に知ることができた。特に、自分の盲点になっていた「バイタリティ」や、秘密になっていた「芸術への関心」は興味深い結果であった。ただし、全ての項目が有益な洞察をもたらすわけではなく、「文化」のように他者から見ても分かりにくい側面もあった。そういう意味では、今後のアップデート版では、他者からも観測しやすいという観点で指標をピックアップしたい。また、ストレングスファインダーのような「強み」を測る指標を取り入れることで、他己診断をさらに面白くできそうなので、今後の改善の参考にしたい。
参考文献
ジョハリの窓
https://www.unprinted.design/articles/johari-window
カルチャーマップ
https://client.insighta.co.jp/globalhrnews/5590