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「みんなの夏至祭」2021
当日までのこころの内
爆音と絶景の非日常感がすきだった。なのにいまはこうなった。「風が葉をゆらすだけで乾杯したくなる」 人は変わるものだね。今年も夏至がちかづいてる。森の祝いとともに。
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「みんなの夏至祭」とは
昼間が一番ながい日に、森のみどりをたたえ祝う。「私の森.jp」さんが呼びかけた祝祭案。暦や食、信仰や芸能、国内外の作品。色んな目線で夏至を紐解きながら進められるキックオフミーティングに、僕の心はおだってた(北海道弁で「イェーイ!」みたいな)。「森を引き寄せて楽しもう」とする試みが素敵。
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クリスタルボウルで
夏至祭には「昼の顔」と「夜の顔」がある。僕はクリスタルボウルで呼んでもらった。陽が沈みかけたころ、みどりに魔法をかけるのだ。「集まれ、精霊!」
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初年度のプロトタイプでは、オフィスが森に@グラム・デザインさん。
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その後、会場は5×緑(ゴバイミドリ)さんの共催で合羽坂テラスに移る。広々!さらに全国へ広がりだす。
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こちらは当日の雰囲気がよく伝わる動画。室内がどう森化していくのか。みどりに癒されていくオープニング、「だいすき!」
昨年、5年目を迎えた「みんなの夏至祭」。リアルに集まれない中での試みは「ウッドデザイン賞2020」を受賞。
「むり?」
そんな「みんなの夏至祭」から、今年お声がけ頂きました。朗読とのコラボ。Zoomにて。「むり?」が頭をよぎる。「PA泣かせの楽器」という現場に、何度も居合わせた。倍音が特徴のクリスタルボウルは適したマイクの選択や収音、モニタリングではハウりとの聴き分けもしずらい。んで、別の場所にいるスピーカーと一緒に配信。「むりむりむりむりむり」が脳内連打。
という先入観と一緒に、朗読を聞いた。北国の老木が語りかけてくるもの。こころに響いた。やさしく、そして、力づよい。(6月8日)
ここ札幌にはなにもない。「できるできない」は横に置いて、一度ボウルを送ってもらう。(6月11日)
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配信テスト
やってみてわかることの連発。こわっ。「主催者+α」にフィードバックをもらう。できなくはない。可能性はありそう。出演決定。レコーディングの記録で振り返りが必要だ。(6月12日)
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写真
長いこと奏でてるけど、写真がない。クリスタルボウルは音の入りから出までとても繊細。その中でシャッター音は爆音。瞬時に現実に戻される。参加者も、僕も。
安心してひらかれ、ひとたびおえて着地する。その「場づくり」の優先順位に記録は要らない。体感が残れば、それ以降、それぞれが、補完できる。なんて徹底してきたから写真ない。「撮っときゃよかった~」とかもたまに思います。
打ち合わせを終えて、写真をもらいました。今年用に以前のものを。室内は森デコ&キャンドルやソーラーランタン。夏至祭の雰囲気がよくでてます。
写真っていいですね、いまさらですが。
※上:小森 洋昌さん
※下:太田 ルリ子さん ありがとうございます!
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神々の声
いろいろ探りながら、「で、どう聴こえるのよ?」自分じゃわからずひとり迷宮。Facebookライブで「どなたかいまZoomできませんか~?」と声かけ。数名の神さま舞い降りる。こう感じたよ、こう聴こえるよ、「クリスタウルボウル×Zoom」の可能性と限界がかいまみえる。神々の声、ありがたい。
メモしとく
【Zoom設定】
・発音タイミングの遅延はあまりなさそう
・映像は遅れるから静止画で
・オーディオ設定で音質向上するじゃん♡
【背景雑音を抑制】>バックグラウンドノイズの除去に関して【低】(ノイズ低減は最小限。音楽検出にはノイズ処理されない:ボウル音は?)
【音楽とプロフェッショナルオーディオ】
>オリジナルサウンド(ON)
>高忠実度音楽モード(ON):Wifi✖、有線で!
>エコー除去(OFF):倍音、残響。効果あり!
>ステレオ(ON)効果あり!
※自分はしゃべらない(声優先、ボウル音途切れる)
【マイク指向】
・1CARDIOID(×):モノ、声と単一、心地よさない、まあ聴けるかな。
・2STEREO(候補◎):Wステレオで広がり。スリスリ音あり。
・3OMNIDIRECTIONAL(候補〇):ボウル配置、好み差、スレテオの方がベターっぽい。
※拾う帯域、ボウル相性ありそう。(柄付き、よく聞こえない、その分ゲイン上げると他のが大きくなりすぎる。使い方次第かな...)※和室の方がやさしいけど収音しにくい。狭い部屋の方がいい?
悲喜交交ともにしてきたマイク「Yeti Pro」。今回も『よろしくお願いします』と手を合わせる。
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「むり?」が解かれていく
やってみることで、「むり?」な先入観が分解され、「できそう?」な小さい断片を集めだしてます。貝殻ひろいみたいで「た、たのすぃ。」
声とのバランス、聞き手環境に左右されたり、マイクの入力レベル、意図してない音が出現(話者スイッチの間)?とか謎なこともあるけど、できる範囲を見極めてよりよきを選んでいきます。(6月16日)
朗読:高階經啓さん
長年広告のコピーライター・プランナーとして活動。並行して、オンラインで人からお題をいただき(お代はいただかず)超短編創作をプレゼントするというSudden Fiction Projectを主宰し、演劇や映像のシナリオの執筆や演出も行い、朗読家としてライブも開催。近年はそれらをひっくるめてストーリーテラーと自称。2019年6月より、古くて新しい職業「話し相手」を開始。話すことでモヤが晴れる体験をお届けする頭と心のマッサージです。
謎、不思議、フリーダム、それでいて芯がある。僕はすこし大人になるのを拒んでいるところがあって、でも高階さんみたいな方がいると希望をもって安心して大人になれる。いや、老木の前ではだれもが子供みたいなものか。
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選書:須山実さんご夫妻(エクリ)と木林文庫
毎年夏至祭会場に一夜限りの本棚を選書・展示してくださる目黒の編集出版事務所エクリさん。「木林文庫」はエクリの須山夫妻が事務所の一角に展示をしている小さな図書館。朗読担当の高階さんと一緒に朗読する本を選んでくださいました。今回はどんなお話が登場するでしょうか?!
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本棚の前から動けなくなった、ある年の夏至祭。そのとき出会った大切な一冊『空と樹と』。詩は孤独のお供にふさわしい。言葉と溶け合い「自分がひとりである」ことを安心して許容してくれる。
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自由な創造の翼
どんな風になっても楽しみますので、自由な創造の翼をたたまないでいてくださいね。
主催である「私の森.jp」の赤池 円さんが、今回の出演の際に投げかけてくれた言葉。こんなことをサラリと言ってくれる。だから、安心してチャレンジできる。こんな人だから、周囲には森みたいな人たちが多い。
吾行く道
人は人 吾はわれ也 とにかくに 吾行く道を 吾は行なり(西田幾多郎)
だれかの存在、だれかの価値。それらをうけとめ、ゆずりあいながら、わが道をゆく方々ばかり。ひざしをわけあう森みたい。みんな紹介したいのだけど、長くなりそう。【詳細】やfacebookページをご覧ください。
[オンライン]「森を祝う「みんなの夏至祭」2021」
【日時】:6/19(土)
第一部 15:00~18:00くらい
第二部 18:00〜20:00くらい
【詳細】:「森を祝う「みんなの夏至祭」2021」
お申込み
また聞きたい
少し経ったからわかること。須山さんが選び、高階さんが語ったその作品を、だれかと一緒にまたききたい。6月8日に、ただなんか動いてみようと思った。動かされたのは、ただ「また聞きたい」がこころの中で生まれたから。
できるなかで、できるだけ。どんなに制限だらけでも、ずっと素人。ずっとβ版。ずっとチャレンジ。(6月17日)
娘は知らなかった
マレット(クリスタルボウルを叩く棒状のもの)をもって器の前に座る。そっと触れる。一音で皮膚がざわめきだす。
経験が邪魔するものもあれば
経験が呼び覚ますものもある
練習、練習の最中、娘が帰ってきた。東京にいたころ、クリスタルボウルは見せなかった。興味をもって叩きたがり、加減がわからず割ってしまうかもしれない。北海道にきて4年。随分おおきくなった。しばらく横で見ていたが、すこし手ほどき。集中と脱力。出た音に顔がキラキラしてる。
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小さな幸せ
録画して振り返り、調整。毎朝「オンライン稽古」。どうしたらいいかなの繰り返し。高階さんとのやりとにくわえ、なつかしい友人が感想やアドバイスくれたり。あれ。あれれれれ。なんか心がうるおってる。オンラインだけど再会機会。些細な会話だけど、なんかうれしい。やりとり自体が小さな幸せ。森を祝う過程で、副産物の恵み。(6月18日)
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夏至祭、終了。
お祭りがおわった。
日常と地続き
いつもならこの時期、近所の公園でお祭りがある。準備や当日の賑わいが暮らしに入ってくる。びっくりするほど人が集まる。数百の露店。撤収の手際がよすぎて、翌日「夢だった?」と茶化された気持ちになる。
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特別な一日だった。けど、それは日常と地続きで、グラデーションの濃度が変わっただけだ。また少しちがう目でみどりを見る。(6月20日)
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ずっと続くその日
須山さんが選んだ作品。「桂のつぶやき」(倉本聰 著『古木巡礼』より)。この作品には副題がある。ー2020年4月29日
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はじめて高階さんの朗読をきいたとき。エゾエンゴサク、シカ、ウソの若鳥、"オダッとる"というなまり。北海道の古木が語りかけてくる。その日付けが繰り返されるたび、1年程まえのニュースを思い出していた。"運河がきれいになった、鳥の歌がもどってきた、満点の星空 ..." ずっと続くその日というもの。
BSで「根のことの葉」という番組をやっていたらしく、これ見たかったなあ。(6月21日)
6月19日は「朗読の日」らしいですね。へ~。
ろう(6)ど(10)く(9)
「北」
今年4月、田中邦衛さんを悼み「北の国から’87初恋」が放送された。「やったぜぇ~」のこだま、カセットプレイヤー、尾崎豊。世代だろうけど、純くんとともに成長してきた。
倉本聰さんは以前こんなことを言ってる。「敗北。負けるとだれでも北に向かう」。「北」にはそむく、にげるの意味があるらしい。
そうか、僕は負けたのか。ここ「北海道」に来る直前には気を失い倒れた。もう体が1つでは足りなかった。なにかを選択するという余地は、もう僕にはなかった。希望の木も折れていた。そうだ、僕は負けたんだ。
移り住んで、呆然とただあるしかできなかったが、少しずつなにかを取り戻していった。幾度かの季節の変化を見る。寒い分、たくましい。ひともいきものも。特に植物にそれを感じる。視界は広く、空は高い。そんな中でいろいろわけてもらった。
冬は寒い。度が過ぎるとエンタメのようだ。雪が降る。よく降る。すぐに未踏ができる。だれも踏んでいないところ。娘を習い事に送り出した後など、踏み放題だ。
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真っ白のキャンバス。なんど間違えても、なんど失敗しても、なんどでもかける。なにかをはじめる、つくりだすのに、北はいい。とてもいい。(6月23日)
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うっかり漏れ
やれるかどうかわからなかった朗読コラボセッション。「みんなの夏至祭」の紹介と、当日までの心のうごきメモ、のはずが。。書き留め習慣がつづいています。うっかり気持ちがだだ漏れています。いいものに触れたあとに残るもの。その余情に浸っているのだと思います。フェアリーな北大キャンパスにて(6月24日)
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心の整理
「また聞きたい」ってなんであのとき思ったのか。ずっと考えてた。分からないからちょっと引き出しにしまっておいた。
北国の詩。そこに自分が北海道にきた意味を見つけかけた。夏至祭、ボウル、関係性。やるに決まっているはずだった。
札幌に移ったあともボウルのオファーは頂くことがあって、本当にありがたいことです。だけど、いい返事が湧き上がってこなかった。毎朝仏壇に手を合わせる。響きを観ることは、それで十分。それより、少しでも子供とあそぶ時間を作りだそうとしてた。
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毎朝小魚をみる。目で追いかける。群れの数をかぞえる。そんなとき、引き出しが開く。自分でなにかに意味をみつける。モヤモヤの回収。心の整理整頓ですね。(6月26日)
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心地いい場所
説得しない。期待しない。
説得されない。期待されない。
のびやかに主体性が発揮される
心地いい場所。(6月28日)
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