東京日記4 西船橋
西船橋駅に下車するまで本は読まなかった。キラキラの海もアンドレ対馬場みたいなコンビナートも京都には無いから新鮮で、どれだけ眺めていても飽きない。本を読みすすめることはできなかったが、本好きの私でもこういう時にわざわざ読書はしない。
西船橋駅はおもいのほか、大きな駅だった。東京駅とは比べるべくもないが、総武中央線、武蔵野線、京葉線、それに東京メトロ東西線と東葉高速鉄道も乗り入れており、都心と千葉各所を結ぶハブ駅になっているらしい。
私の旅の目的は地方紙を買うことなので、改札の外に出るまでもなく、構内の売場で購入できればそれでよい。武蔵野線のホームに降り立ち、十分後、二十分後にも列車が到着することを確認し、エスカレーターで下へ降りる。このホームが地上何階に該当し、私は今から何階へ降りるのかはわからないが、とにかく屋外から屋内へ移動することにはなる。ハブ駅の割には人が少ない。人だらけの東京駅より気持ちいい。風が爽やかだと思うたび、「爽やか」は秋の季語だと実感する。
エスカレーターを降りたところに東京駅でもよく見かけるNew Daysを発見する。東京駅のNew Daysは場所によっては信濃毎日新聞や新潟日報、上毛新聞、下野新聞などが売っており、地方紙の宝庫だから、見つけるたびに新聞置き場を探すのが癖になっている。
西船橋のNew Daysにも新聞置き場があった。読売新聞、朝日新聞、毎日新聞、日経新聞、主要紙とスポーツ新聞、英字新聞しか無いNew Daysもあるが、西船橋のNew Daysには「千葉日報」があった!ブルマと悟空がドラゴンボールを見つけたときの気分。地方紙も地方紙レイダーがあればいいのに。
一部手に取りレジへ向かうとスイーツを買おうとしているおっさんが店員さんに何か話しかけていて、店員さんは迷惑そうだった。あんなおっさんにならないようにしないといけない。
続く
※続かないかもしれない