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1人目の客になれた話 ココン烏丸地下編

 趣味はオープンしたお店の1人目の客になることです。
 近頃少し困っているのがだんだん寒くなってきたことで、寒いと「1人目の客Tシャツ」の上に何か羽織らねばならず、羽織ってしまうとこのTシャツを着る意味がなくなってしまうというわけなんです。
 予算が許せば、「1人目の客ダウンジャケット」や「1人目の客ダッフルコート」なんぞを作るのですが、無論そのようなものを作る予算なんぞあるはずもなく、近頃流行りのクラウドファンディングでもやってやろうか、と考えてはみるものの、こんな活動を誰が金を払ってまで応援するのか、と思い直し、クラウドファンディングなどというものは何かしら社会的意義のあるもののための手段でありますから、少しでも脳裏を掠めてしまったことにさえも今、私は罪悪感を抱いております。

 しかしながら、今日の目当ては幸い、屋内のお店ゆえ、ダウンジャケットを脱ぎ、堂々と1人目の客Tシャツを見せつけております。
 四条烏丸にあるココン烏丸という商業施設の地下1階に本日より期間限定でポップアップイベントが開催されるというわけでして。

 本日12月3日から22日までの間、ココン烏丸の開業20周年を記念して、話題の名店とコラボする期間限定スペースであると書いてあります。

 場所はもともと「寿司稲」というお寿司屋さんがコロナ前くらいまで営業していたスペースです。「寿司稲」はこういう漢字であったかも、もはや記憶が曖昧なのですが、読み方は「すしいな」です。
 当時、ランチは千円くらいで割と美味しいお寿司の定食が食べられたんじゃなかったかな。

 私は誕生日が1月4日なんですが、お正月期間中、会社の先輩にここに連れていってもらい、その先輩はそのランチをご馳走してくださるつもりだったのですが、行ってみたら、お正月期間中は「正月限定スペシャルランチ」しか提供されておらず、はからずも三千円近いランチを食べることとなり、先輩もそんなつもりで私を誘ったはずもなく、しかし、いまさら後には引けないため、しぶしぶ、その「正月限定スペシャルランチ」をご馳走してくださったという、実にほろ苦い思い出のある場所です。

 豪快なタッチの筆で描かれた◯の右下に「環」の字が書いてある暖簾の奥では、先程からスタッフの方たちが開店の準備をされています。「環」はどうやら「めぐる」と読むらしい。そういえば「寿司稲」ではあの日、まぐろを食べたような気がする。「まぐろ」から「めぐる」へ、記憶はめぐりめぐりゆく。

 店内には「あつあつおでん」と書かれた貼り紙があり、奥には日本酒の瓶とみられる瓶が並んでおります。
 同じココン烏丸地下で営業されているお店の店員さんたちがさきほどから何人か様子を見にきておられます。
 こういう施設のお店の人同士ってどういう関係なんでしょう。敵なのか、友なのか、敵と書いてライバルなのか、あるいは友と書いてライバルなのか、本気と書いてマジなのか。

 明日も早いので軽く一杯、日本酒を呑んであたたまって帰るとしよう。職場の近く(というか職場は同じ施設の8階であるが)に期間限定ながら、こういうお店がオープンしたのはありがたいことです。

 日本酒三種飲み比べが1500円と、大変ありがたい価格設定でこれは明日の朝が早くなければ危うく飲みすぎてしまうところです。

 令和6年12月3日、ココン烏丸地下1階に期間限定でオープンしたポップアップスペース「環(MEGURU)」の1人目の客は私です。

1人目の客です
日本酒ずらり
レジ0001❤️
こんなイベントです

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