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脳ビューティー

 次に東京へ行くときは絶対に観にいくと決めていた国立新美術館のイヴ・サンローラン展。ファッションは廃れてもスタイルは永遠なんやで!という名言を残したモードの帝王、イヴ・サンローランの没後、日本では初となる大回顧展だ。
 なんと21歳でデビュー、自身のブランドとして初のコレクションを成功させ、美術作品、舞台芸術、文学作品、さまざまな創作物、カルチャーに影響を受け、独自のスタイルを確立させたイヴ・サンローランの歴史が、ルック110体をはじめ、アクセサリーやドローイング、写真など約300点12章構成で紹介されている。
 
 とにかく、ルックっていうの?いちいちカッコええねん。荒木飛呂彦先生の描くジョジョ立ちも、キャラクターのファッションも少なからず影響受けてると思うわ。
 
 順路に従い、順番に展示を鑑賞していくと、そこかしこでため息が聞こえる。みんなうっとりしとる。ファッションなんて、詳しいことは何一つわからんけど、理屈抜きにしてカッコええもん、美しいもんには惹かれるように僕たちの脳はできあがってるんとちがうんかな。

 観に来てる人たち、僕以外全員スタイリッシュやったわ。美しい人は美しいものに惹かれてさらに美しくなってゆくのだ。その意味では僕も観にいく前より美しくなっているはずだ。

 知らない世界を知りたいという好奇心とか、好きなものを身に付けたいと思う気持ちとか、美しさを浴びたい衝動とか、そういうやつに素直に応えていかないと、あっという間に融通のきかない頑固じじいになってしまう。
 
 同時開催されていた日展も鑑賞したんやけど、日本画洋画工芸彫刻エトセトラ、無数の作品群を目にして、これ全部、人間が作ったもんなんやな、人間の脳って同じような入れもんやのに中身は全部違うんやな、すごいな、って思った。腐ったり傷んだりさせたらあかんで。見えへんけど、今、僕の脳はさっきより美しい。

蠱惑暇
こわくいとま

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