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1人目の客になれた話 北大路VIVRE編

趣味はオープンしたお店の1人目の客になることです。6月18日、今日は世界でも指折りのイタリアンの名店が北大路VIVREにオープンする日です。

相当人気のあるお店なのでオープンの2時間前には到着しておかねばなるまいと思っていたのですが、以前祇園にできたハードロックカフェはオープン3時間前に行って長蛇の列ができており、萎えたことがありました。(そんなハードロックカフェも既に閉店している)そうなるのはゴメンなので、今回は例え、1人目になれなくてもよいから、その時は「1人目の客になれなかった話」を書けばいいではないか、と半ば負け戦に出る気持ちで9時30分すぎに四条駅で地下鉄に乗りました。お店は10時オープンです。

9時40分頃に北大路駅到着。
真上が北大路VIVREです。
鞍馬口に住んでいた頃は、ここのスーパーと鞍楽ハウディと堀川通り近くにある生鮮館をローテーションしていました。
大垣書店にもよく行った。

長い階段をのぼり地上へと向かう。見上げれば北大路の空。ああ、この空を見上げるのも久しぶりだな。地上に出ると北大路の風が吹く。そうそう、この風。目の前には北大路通り、振り向けば北大路VIVRE。京都に来た頃は、滋賀の故郷にはない洗練されたセンスに思わず後退りしたものです。

館内に入ると床や壁面、いたるところに名店オープンのお知らせがある。幟もある。北大路全体がイタリアンの名店を誘致できたことを喜んでいるかのようであり、こちらもワクワクしてきます。名店は私にとっては馴染みの薄い北レストラン街2階にオープンするらしい。人の気配はまだ少ない。ひょっとすると、まだ誰もいないのではあるまいか。期待が高まる。いや、そんなはずは、、ひょっとして、、の繰り返し。この気持ちは中学生の頃、毎年2月14日に味わっていたものと同質のものである。

2階に上がると開店を祝う花に囲まれ、一際華やかなお店。まだ誰も並んでいない!2月14日には毎年「いや、そんなはずは」に振れた現実が今日は「ひょっとすると」のほうに振れた。ただいま9時45分。しかし世に聞こえるイタリアンの名店の開店15分前に誰も並んでいないとは。宣伝戦略に問題があったのではないかしら。

なんて思っておりましたら、ご夫婦と思われる男女がやってきて店内に入っていこうとするものだから私は慌てた。このままこの二人が入店し、1組めの客然として振る舞えば、それは既成事実になってしまうのではあるまいか。私は尖閣周辺を動き回る中国の海警船を思い浮かべました。しかし、店の前で待機している一人のおっさんを不審に思ったのでしょう。

「あ、待ってます?」と女性のほうが聞いてきたので「はい」と答えたその声の大きさに自分でびっくりしてしまった。私の後ろに並ぶご夫婦は、もうメニューを広げて「これと、それと、あ、それもいいねー」と次々注文するものを決めていっています。

「うん、これで全部で3000円くらいやね」

10時5分前。
店員が「お待ちのお客様、中へどうぞ」と声を掛けてくれました。
二人席の片方に腰掛けますと、イタリアンの名店らしく上品なユニフォームを装着した柔和な表情の男性が「はじめてのお客様、ありがとうございます」と挨拶してくれた。
「はじめてのお客様」とは、つまり、それは「1人目の客」のことですね!?そうなんですね!?嬉しがりの私は聞き返してみました。「僕、1人目ですか?」

男性はニッコリ私に微笑み返しを喰らわしたうえで人差し指で「1」を作りました。

令和3年6月18日午前10時、
北大路VIVREにオープンしたサイゼリヤ北大路VIVRE店の1人目の客は私です。

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