寺宝とは?
ラジオのお仕事では、
ある情報誌の内容を
ラジオ用にリライトする、
ということがあります。
視覚に訴える文章を
聴覚に訴える文章に
リライトするわけですが、
近頃は視覚重視の暮らしを
送っている方が多いため、
残念ながら、
「聴覚重視の文章」といっても、
「ちょっと何を言ってるのか、
よくわかりません」
という方が増えました。
本当に増えました。
ラジオの業界の中にさえ、
増えました。
インスタグラムの弊害だと
私は思っているのですが。
さて、
そういう例とは
ちょっと違うかもしれませんが、
ある情報誌の文章に
こんなものがありました。
明治天皇の御椅子、
洋装の御所人形などが展示される書院、宮御殿など、
天皇家とゆかりのある寺宝を
見学できます。
これ、
違和感ありませんか?
私の感覚では
寺宝ってこの文章でいうと、
御椅子や御所人形のことを
指す言葉やと思うんです。
ところが、
この文章では
書院や宮御殿が寺宝である、
ということになりますよね。
うーん。
建物が寺宝?なのかな?
広辞苑によると寺宝は
「寺の所持するたからもの」。
宝物は
「宝とするもの。大切にするもの。
ほうもつ。たから。」とある。
では宝は?
「貴重な品物。大切な財物。
宝物。財宝」などとあります。
この意味をもつものにしては
建物は大きすぎる気が
するんですよね。
そういう違和感があったので、
私は、
書院、宮御殿に展示される
明治天皇の御椅子、
洋装の御所人形など、
天皇家とゆかりのある
貴重な寺宝を見学できます。と、
寺宝は「御椅子と御所人形」である
という書き方に変えたのですが、
結局、元の文章に
書き換えられて返ってきました。
解釈の違いなのでしょうか。
「寺宝」って、
そんなに大きいもののことも
指しますか?
例えばそれが仏像なら
どれだけ大きくても寺宝だと
思うのですが、
建物を寺宝というのは、
やはり違和感があるのですが、
いかがでしょうか。
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