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数学解けた解毒ガウス
中学二年の息子はテスト期間中です。
数学の図形の問題が解けないというので見てみたら、三角形の角Aが80°で角Bと角Cの二等分線が云々かんぬんという問題であり、ぱっと見た感じでこいつは俺の解けないやつや、と思ったのですが、普段から逃げずに考える力を養いなさいと言っている手前、すぐに逃げることはできず、しばらく考えていたらこれがなんと。解けたんです。
これはきっとここ数年、ワケわからないなりに科学雑誌のニュートンを毎月購入し、数学の記事などにもざっと目を通していたおかげなのかもしれない。息子に聞いてみると、彼の数学の先生は不当に難しい問題を出題しがちで、妻いわく同じマンションのお母さんもその先生の出す問題は「あほみたいに難しい」とぼやいていたらしく、その難敵の出題した問題を一問でも解けたことで俺はすっかり自信をつけてしまったのですが、結局解けたのはその一問だけであり、その次の応用問題は十五分ほど睨めっこしてみたものの解くことはできませんでした。
しかし、一問めにしっかり向き合い、解けたことによって二問めに十五分も向き合うことができたわけで、つまり、ほんの些細な成功体験であったとしても、それのおかげでチャレンジ精神が芽生えるのである。俺のそれは残念ながら今回わずか十五分で潰えてしまいましたが、本来三十秒もなかったであろうそれが十五分まで延長されたのですから奇跡であるともいえる。
思うに最初の段階で逃げなかったのがまず、何よりよかった。息子に普段から逃げずに考える力を養いなさいと言っている手前、すぐに逃げることはできない、と思えたことが功を奏した。この「客観性」を持つのは意外と大事で、意外と難しかったりする。
え!?さんざん人に厳しいこと言うといて自分ではやらへんの!?っていう、いわゆる「ブーメラン」は自分に甘い人ほど喰らう危険技です。しかし、「ブーメラン」は意外と喰らった本人は喰らったことすら気づいていなかったりもする。そういう人にとっては屁でもないブーメランですが、時折、「あ、これ、いま俺、ブーメラン返ってきてるよな〜」とわかっていながらブーメランを喰らってしまう人がいて、このタイプは知らずにブーメランしている人よりも故意にやっている分、タチが悪い。
私はブーメランに気づいてしまった以上、看過することはできません。
そのおかげで今日、数学の問題を解く心地よさを覚えました。こうやってほんの小さなところからでも、気づいてしまったブーメランに対処していくことを続ければ、けっこう簡単に変われるかもしれない。
世の中には知っててブーメランしちゃう厚顔な偉い人がおり、だいたい嫌な顔をしている。厚顔すぎて睾丸みたいな顔になっている。
ああいう顔にならないように気をつけないといけない。
ちなみにタイトルは無理やり作った回文です。
回文というよりは怪文になってしまっている。
数学解けた解毒ガウス
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趣味はオープンしたお店の1人目の客になることです。この趣味について綴った私の著書『1人目の客』や1人目の客Tシャツ、京都情報発信ZINE「京都のき」はウェブショップ「暇書房」にてお買い求めいただけます。