1人目の客になれた話 柳馬場四条下ル編
趣味はオープンしたお店の1人目の客になることです。
昨日、ドラマティックな出会いを果たした「京都のお墨付き！」管理人さんから本日カフェがオープンするという情報を得ました。
柳馬場四条を少し下がったところらしい。なんとなくの場所はわかりますが「ああ、あそこ！」とはならなかったので早起きして下見に行きました。いわゆる「ロケハン」。
オープンは朝8時。
40分前の7時20分に着けばおそらく1人目の客になれる。経験上、たいていのお店はオープン40分前に行けば1人目の客になれることを私は知っています。昨日はなれなかったけど。
幸い職場が近いので、駐輪場に自転車を停めてから徒歩で行くことができます。
京都は狭い。お店の前に自転車を停めさせてくれないお店も多いので、なるべく歩いていくようにしています。
しかし「ロケハン」だけはとりあえず済ませておこうと、6時40分頃に柳馬場四条に到着すると、一度行ってみたいと思っている新潟のタレカツ丼のお店があり、柳馬場通りを挟んで隣にはかつて私が1人目の客になった2/7キッチンベーカリーがあります。そうか、あなたが柳馬場四条だったのですね！
しかし、柳馬場四条を下がったところには新規オープンするとみられるお店なんぞは見当たりません。グーグルマップで確認してみると、どうやら柳馬場通り沿いではなく、少し奥まったところにあるみたいなのですが、門扉に閉ざされており、確認ができませんし看板なども出ていません。
まあ、まだオープンの1時間以上前だし仕方ないか。
とりあえず職場の駐輪場へ戻り、自転車を停めるつもりだったのですが、駐輪するのに必要なカードを持ってきていないことに気づく。このカードが無いと貧民の私にとってはかなり厳しいレベルの駐輪料金が発生してしまいます。6時50分。仕方あるまい、いったん家に帰ってまた来よう。
帰路。
四条通りを西へ向かう。
朝日を背にして走ることは滅多にない。風が寒いくらいです。あの猛暑はどこへ鳴りを潜めたのでしょう。こうなると懐かしさを覚えてしまう。あんなにひどい仕打ちを受けたのに。そうやって毎年今頃に猛暑を受け入れてしまうからつけあがるんだよあいつ。
無事帰宅。
寝室の机の上にカードケースが鎮座しておられました。ずっとそこにいたらしい。忌々しいくらいいつもと同じカードケースです。
ポケットに入れて再び自転車を漕ぎ出す。朝日が眩しい。
朝日はこっちに向かってる。私は朝日に向かってる。なのにどうして二人は交わらないんでしょう。
自転車が重たい。
どうやら電動の電池が切れてしまったらしい。電動自転車の電池が切れたときの重さときたら野島伸司なら1クールのドラマに仕立てあげられるレベルなんです。遅々として全く進まない自転車。急いでるときに限ってこんなことになる。ユーミンが安いサンダルを履いてたときもたぶんこんな気持ちだったでしょう。
駐輪場に着いたのがもうすでに7時25分頃。少しばかり早歩きで現地へ向かう途中、若い男性四人組に1人目の客Ｔシャツについて絡まれそうになりながらなんとか避けて綾小路通りを東へ進む、朝日が眩しい。
オープンしたての2/7キッチンベーカリーではもう買い物している人がいました。この人気店の1人目の客であることが誇らしい。
柳馬場四条を下がる。
さきほどの門扉の裏側にお店のメニューが載っている看板があります。
奥からカフェの人っぽい女性がこっちにやってくる。
「今日オープンするコーヒー屋さん、ここですか？」
「はい、コーヒー屋さんです、8時オープンですけど」
「ここで待たせてもらってもいいですか」
「もちろんです。あ、でも奥に椅子があるのでよかったら座ってお待ちください」
「すごいですね、1人目の客って書いてあります」
「そうなんです、これを着てオープンしたお店の1人目の客になるのが趣味なんです」
完全に店内でコーヒーを飲むつもりにしていたのですがどうやらテイクアウト専門店らしい。「葦島珈琲」と書いてありますが、こちらのお店は「Blu Earth」といい、朝8時からお昼まで葦島珈琲さんの店舗を間借りして今日から営業をスタートさせるということです。
ものすごい感じのいいお姉さんが懇切丁寧に教えてくださいました。
いつか間借りではなくどこかでお店を構えることになったらそのときも1人目の客になりにきますということと、この店にもまた来ますということを約束し、写真を撮ってもらって帰りました。苦いけど爽やかな味がする。
令和6年10月13日、柳馬場四条下ルにある葦島珈琲で間借り営業をスタートした「Blu Earth」の1人目の客は私です。
BluEarthって書いてます
夜営業はまだらしい
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