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世の中を面白くするには

 一昨日くらいから私の周辺では祇園祭関連の投稿が増えました。宵山うぇ〜い!という投稿から各山鉾のいわれについて丁寧に解説している投稿まで様々であり、その誰もが祇園祭を思い思いに楽しんでいる、それを見て「祭りってええよな〜」と自宅で一人ごちる私のような者もいる。いや〜、やっぱり「ごちる」は隙あらば使っていきたいっすよね。とごちってみる。祇園祭は詳しい人のためのものではないし、仮に間違った理解をしている人がいたとしても、その人なりに楽しんでいるなら別に構わないのではないかと思ういっぽうで、理解しようという姿勢の見えない敬意を欠く楽しみ方をしている人を見るとうんざりしてしまったりもする。
今年の宵宵山は海の日の祝日で、四条烏丸は異常に人が多かったのですが、その混雑のなか、カップルの男のほうがタバコを吸っていたそうです。そういうのはやめたほうがいいと思うんですよね。

 祇園祭の期間中、八坂神社の氏子さんたちは、輪切りにしたときの切り口が八坂神社の神紋に似ているからという理由で、きゅうりを食べてはいけないそうなんですが、海の日に聴いた京都のラジオでは、その日の占いのコーナーで何座だか忘れましたが、「ラッキーアイテム」が「冷やしきゅうり」だったのでびっくりしました。確かその日の占いのラッキーアイテムは全て縁日の屋台で供されるものばかりだったのですが、まさか祇園祭期間中に「冷やしきゅうり」をラッキーアイテムにするとは、などと私は思ったのですが、これも別に氏子さんだけの話なんだからいいじゃないか、と思う人もいれば、そういうことを知らない人もいるし、別に知らないことが悪いことでもないとは思うんですけど、しかし、京都のラジオ番組で祇園祭期間中に「冷やしきゅうり」をラッキーアイテムにしてしまってもいいものなのか?ということは、もっと真剣に話し合われるべき大問題なのではないか、という気もするし、こういうのを「別にどっちでもええやんけ」と一蹴する私と「なんたることか!」と怒ってしまう私がいる。

 Adoの「唱」というめちゃくちゃヒットしてる曲があります。私も好きなんですけど、冒頭の歌詞で「独擅場」を「どくだんじょう」と歌っており、「おいおい、独壇場はどくせんじょうって読むんやど、と冷めてしまうねんなー」と家族に伝えたところ、「どくだんじょうで合ってると思うよ」と返され、「いやいや、調べてみてくれ、絶対どくせんじょうやから」と言い返してみたところ、しぶしぶ調べてくれ、「確かにどくせんじょうって読むのが本来正解やけど今はNHKでもどくだんじょうっていう読み方を認めてるみたいやど」ということであった。
 いつもの私はどちらかというと、こういう問題について、「言葉なんて変化していくんだから元あった読み方だけが正しいという考え方はおかしい」というタイプなんですが、「独壇場」に関してはどういうわけか、元あった読み方こそが正しいというタイプになってしまっておりました。「別にどっちでもええやんけ」と一蹴する私と「なんたることか!」と怒っていまう私がいる。これってあまり認めたくないのですが、たぶん、自分が無意識のうちに下に見ている人に対しては「なんたることか!」と怒ってしまうのであり、無意識のうちに尊敬していたり、好意を抱いたりしている場合には「別にどっちでもええやんけ」となるのではないかしら。

 同じことをされても腹が立つ人と立たない人といます。イヤホン付けて歩いている他人のことはすごく腹立たしいけれど、知り合いがそれをやっていてもそんなに腹は立たないものです。好きな人のやることは許容できても嫌いな人のやることは許し難い。あばたもえくぼで坊主憎けりゃ袈裟まで憎いのが人というものなのです。そうであるなら、坊主が憎くて袈裟まで憎くなる精神状態よりも、あばたがえくぼに見えるくらいのほうが、遥かに生きやすいはずであり、そういう世の中になっていけばいいんですけど、なかなかそうはうまくいかないものです。

 憎いと思えば憎くなるし、愛しいと思えば愛しくなるし、面白いと思えば面白くなるんですから、いつも何事も面白いと思って向き合えば世の中は面白いことだらけですよね。そういう世の中にするためには、何事に対しても面白がっていかないと。というわけで、皆さん、8月12日(月・休)に西院陰陽(ネガポジ)にて開催する「涌井大宴会mini(仮)」は面白いと思って見たらものすごく面白いイベントです。私と一緒に世の中を面白くしましょう。よろしければご来場ください。

 ちがいのわかる人のための京都ジン「京都のき〜KEY OF KYOTO」創刊号も販売します。こちらは後日、ウェブショップ「暇書房」でも販売予定。「暇書房」では現在、蠱惑暇(こわくいとま)こと涌井慎の著書『1人目の客』と1人目の客Tシャツを販売しております。是非一度、のぞいてみてください。

「京都のき」創刊号の表紙を飾るのは
蘇我鹿男さん!



というわけで、暇書房のウェブサイトは↓

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