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祇園祭UAUP日記

 京都の七月は祇園祭です。私のような大学から京都に出てきて壬生のあたりに暮らし続ける者にとっては宵山や山鉾巡行、神幸祭といったわかりやすい行事しか馴染みはありませんが、四条烏丸周辺は提灯が吊るされ、もうしばらくすると山や鉾が建ち並び、祭りの雰囲気が次第に醸成されてゆきます。町中に停滞するなまぬるい空気、じんわり発出する心地の悪い汗なども祇園祭にはつきものである割に、こういった不快さは「別の季節に思い出す祇園祭の一コマ」にはあまり顔を出してこないため、いざ感じると「そやそや、祇園祭の時期はこうやった」と妙に微笑ましくその不快さを受け入れたりもするのです。

室町四条のたばこ屋さんも
祇園祭仕様です



 祇園祭期間中は我々のような下々の人間(Under and under people略してUAUP)のあずかり知らぬところで実はいろんな行事神事が行われており、それらを新聞記事で知ることも祇園祭期間中の楽しみのひとつであり、それは毎年のことであるから、行事神事自体には馴染みがなくとも、新聞記事で読むことは「いつものこと」なので、なんとなくわかった風になっているのも不思議な話でありまして、今日の京都新聞によりますと、祇園祭の綾傘鉾のお稚児さんが祭りの無事を祈願する「社参の儀」が昨日、八坂神社でありました〜あ〜あ〜あ〜イエスタデイ。

京都新聞の記事の写真を見ながら
雑に描いた綾傘鉾社参の儀
絵がうまくなりたい。。



 記事によると、お稚児さん六名は前祭の山鉾巡行で綾傘鉾を先導するとのことで、昨日はそんな六名のお稚児さんが山鉾町の子として迎えられる「結納の儀」を経て、本殿で「社参の儀」に臨んだそうです。最後は本殿の周りを回る「お千度の儀」で時計回りに三周歩いて神前で拝礼したそうです。少し前に長刀鉾のお稚児さんも「お千度の儀」に臨み、そちらでも確か本殿の周りを三周したはず。やはり「お千度の儀」は「三周」するのが決まりらしい。四周でも二周でもダメ、絶対に「三周」なのです。

 今夜はカレーライスなんですが、この記事を読んだあとだったので、いつもより丁寧に分量をはかりながら作りました。カレーライスにもカレーライスなりの「三周」があるのです。UAUPの私の暮らしにも少なからず影響を与える祇園祭、そしてそんなこととはつゆとも知らず、綾傘鉾を先導するという大役に向け、万全を期すお稚児さんたち。同じ空の下、割とすぐ近くに住んでいるのに決して交わることがない此方と彼方が社会面の小さな記事を媒介してちょっとだけつながった、というお話。

しっかり分量はかりました

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