ボブディランと本庶佑の言葉
何月何日の何新聞のコラムか
忘れましたが
ボブディランの
「風に吹かれて」について
書かれていました。
「風に吹かれて」は、
一説によると、
アメリカのアフリカ系アメリカ人が、
公民権の適用と
人種差別の解消を求めて行った
「公民権運動」の賛歌と
いわれています。
ただ、歌詞をみてみると、
「人はどれだけの道を歩けば、
一人前と認められるのか」
「山が海に
流されなくなってしまうのに、
どのくらいの時間がかかるのか」
といった抽象的な問いかけが
繰り返されたあと、
「答えは風に吹かれている」と
締めくくられていて、
曖昧さゆえに
自由な解釈が可能になっています。
自由な解釈が可能であるならば、
新型コロナウイルスの
感染拡大の影響で、
外出自粛、営業自粛を
余儀なくされた緊急事態宣言下での
日本人の心情を
表しているかのようでもあります。
緊急事態宣言は
全国で解除されたとはいえ、
ウイルスが
消滅したわけではありませんので、
引き続き、手洗いや
マスクの着用などの対策を
心がけなければなりません。
全面解除=ウイルス消滅と
認識されている方が
少なからずおられるらしく、
驚くばかりです。
ボブディランといえば、
4年前にノーベル文学賞を
受賞していますが、
ノーベル賞つながりで、
こちらも何月何日何新聞のコラムか
忘れたのですが、
2年前にノーベル医学生理学賞を
受賞した本庶佑さんの言葉が、
引用されていました。
本庶さんは著書
『幸福感に関する生物学的随想』の
なかで、人間が幸福を
感じる仕組みについて書いています。
いわく、
金や名誉などへの欲望を
満足させることで得られる
幸福感には限界や飽きがくる。
むしろ、人が幸せを感じるのは
恐怖や不安感がないときだろう・・
とのことです。
また、その幸福感も
相対的なものであり、
永続的に幸福を感じるためには、
「時折の軽い不安感によって、
そのありがたみを確認する必要」も
ありそうだと書いています。
ボブディランは
「風に吹かれて」のなかで、
「どれだけ多くの耳を持てば、
人々の泣く声が聞こえるのか」とも
歌っています。
緊急事態宣言は解除されましたが、
為政者の皆さんには、
経済対策や医療従事者など
エッセンシャルワーカーへの
支援といった、
一つ一つの問題解決に向けて、
取り組んでいただたいところです。
そしてそれは、
決してブルーインパルスを
飛ばすことではないと思います。
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