珍言奇言虚言グランプリ
涌井慎です。
趣味は新聞各紙のコラムを
読むことです。
1月31日。
瞬時の機転が救う命がある。
「宮崎日日新聞」を引用します。
「これから死にます」という、のっぴきならない電話が自宅にかかってきたらどうするか。心理学者の小林正観さん(故人)が実際体験したことだという。電話の主は妻の友人。ある日の真夜中のことだった。急を要する事態だが正観さんはたまたま北海道からジャガイモがたくさん届いていたことを思いだして、妻に言った。「ジャガイモを友だちの家へ届けて、あすの朝までにコロッケをつくってほしいと頼め」(西沢泰生著「1分で心に効く50の名言とストーリー」。
お友だちは朝まで
夢中でコロッケを作り続け、
気づけば死にたいという気持ちが
無くなっていたそうです。
名言に心を揺さぶられるいっぽう、
珍言奇言虚言にはうんざりします。
珍言奇言虚言グランプリ、
まずはアメリカ代表トランプ氏。
「静岡新聞」を引用します。
トランプ氏が発表した中東和平案は、ヨルダン川西岸に建設されたユダヤ人入植地はイスラエルの主権下と宣言。エルサレムは「分断せず、イスラエルの首都とする」とした。「2国家共存」堅持と、パレスチナの独立国家樹立は条件付きで容認している。だが、イスラエルへの肩入れを露骨にさせた内容に見える。これも、お得意の「ウィンウィン」によるビッグディール(取引)と言うのたろうか。
トランプ氏は中東和平の
中立、公平な
仲介役であるはずですが、
「中立」と「公平」の意味を
改めて辞書で調べる必要が
あるようです。
続けて、
もはや殿堂入りしているのが
英国の「三枚舌」でしょう。
「高知新聞」を引用します。
パレスチナ問題のルーツをたどれば第1次大戦中の、英による「三枚舌外交」に行き着く。アラブ国家樹立を認める一方で、ユダヤ人国家の樹立支援も約束する。さらに他国と結んで戦後の中東の分割を密約する。
大国の事情に翻弄される宿命から
中東が脱出できるのは、
いつのことになるのでしょう。
嘘といえば、
インターネットもその巣窟です。
「新潟日報」を引用します。
1640年から41年に起きたポルトガルとインド・マラーター王国との戦争-。誰でも書き込めるインターネットの無料百科事典「ウィキペディア」の項目「ビコリム戦争」にはこんな説明が付いていたという。この戦争、実は存在しない。書き込みから5年後に削除された。
いわゆるフェイクニュースです。
新型コロナウイルスによる肺炎も
数々のデマを拡散させています。
「新潟日報」のほかにも、
「佐賀新聞」「南日本新聞」が
「感染疑いのある観光客が
関西空港から逃げた」という
デマについて取り上げていました。
「佐賀新聞」と「南日本新聞」は
ともに4年ほど前の熊本地震の際に
流れた「動物園から
ライオンが逃げた」という
デマについても言及しています。
非常事態になると、デマが
拡散されやすいのでしょうか。
さて、
珍言奇言虚言グランプリですが、
優勝はやはりこの人をおいて
他におりますまい。
「募っているという認識だった。
募集しているという
認識ではなかった。」
「朝日新聞」「長崎新聞」
「琉球新報」がこの奇言を
紹介しています。
しかし、
「長崎新聞」は
英国の故サッチャー元首相の
名言についても書いていました。
改革には何が必要か、問われた
サッチャー元首相は
「政権交代が可能な、
よい野党の存在です」。
どっちもどっち、
ということでしょうか。